医学部入試

医学部 受験校を選ぶには(3)

私立医学部の受験校を絞る際、
分野別の傾向のお話しをしましたが、
今回は化学を見てみましょう。

前回と同じ様に東京慈恵会医科大学
順天堂大学医学部
化学の分野別の出題傾向を見てみると、
慈恵医大では有機の芳香族が過去5年、
1度も出題されていませんが、
順天堂大学医学部入試では過去5年で
3回出題されています。

また酸化・還元は慈恵医大で過去5年で
1回しか出題されていませんが、
順天堂大学医学部では5年で4回出題され
頻出分野となっています。

慈恵医大に絞るのなら芳香族や酸化・還元は
それ程力を入れなくてもいいのですが、
順天堂大学も併願するとなるとそうは行きません。

出題分野を離れて、
問題の難易度、形式、量などを見てみると、
慈恵医大の化学は問題そのものが難しく、
ハイレベルな問題を解く訓練が必要です。

一方、順天堂大学医学部入試の化学は
問題そのものは難しくありませんが、
量は多めに出題されます。

また、グラフを選ぶ問題や文字式を用いた問題などが出題され、
こうした問題に慣れておく必要があります。

慈恵医大と順天堂大学医学部を併願するとなると
化学を見ただけでも、
軽く済ませる分野はほとんどなくなると同時に
問題の難易度も順天堂大学医学部だけなら
基本的標準的なものをしっかりやっておけばいいのですが
慈恵医大も受験することになると
ハイレベルな問題もやっておかなければなりません。

また、順天堂対策としてグラフや文字式を使った問題への
対応力も磨く必要があります。

この様に私立医学部入試ではふたつの大学を
併願するだけでも絞り込んだ学習が難しくなります。
初回に述べたように私立医学部はいくつかの大学を
併願できる点が大きな魅力です。

国公立と違って一発勝負的なリスクを軽減できます。
そこを活かすとなると受験校を絞り込んで
その大学の対策に集中するというのは
得策とは言えません。

偏差値で表わされることが多い入試の難易度、日程、移動、
出題形式、問題の難易度、配点
などを総合的に考え、
受験校を決めて下さい。

メルリックスでは私立医学部入試であれば
10校程度を受験してもらっています。

経験的にも、受験校の数を多くすることが
合格の可能性を高めることは間違いありません。

私事で恐縮ですが、
今日から実家の北海道に来ています。
雪の中でたまっていた資料や本を
じっくり読もうと思っています。