来年度の私立医学部入学者募集の内容が
ほぼ明らかになりましたので
特に気を付けておきたい大学を、
順を追ってお伝えしていきます。
最近、お問い合わせが多いのが
順天堂大学医学部の学費値下げについての
お問い合わせです。
順天堂大学医学部は4年前の2008年度入学者から
6年間の学費総額を思い切って1,000万円近く下げました。
この学費値下げに受験生は敏感に反応し、
一般入試の志願者は前年の1,590名から2,177名に
36.9%、587名も増加しました。
当時の定員は65名でしたから、
定員の9倍の志願者が一気に増加したことになります。
倍率も前年の志願倍率24.5倍から33.5倍に上昇しました。
国公立医学部併願の受験生が増えたと
考えられます。
順天堂大学は、医学部の付属病院で順調に収益を上げていて
それを原資に学費の大幅値下げに踏み切ったようです。
この2008年度入学者の学費を大幅に下げた時も
私立医学部で6年間の学費が最も安い
慶応大学医学部の学費総額を下回ることはありませんでした。
(自治医科大学と産業医科大学は学費の貸与制度があります)
しかし、慶応大学医学部が施設設備費などを値上げしたため、
順天堂大学医学部が最も学費の安い私立医学部になりました。
今回、更に順天堂大学医学部は初年度納付金を
360万円から290万円に、70万円減額することにしました。
ただし、初年度で70万円減額になると言っても、
2年次以降の授業料や施設設備費、教育充実費を値上げしますので
6年間のトータルでは10万円の減額となります。
初年度は入学金等の納付もありますので、
2年次以降に比べ負担が大きいことから
今回の初年度納付金の減額を行ったのだと思います。
問題は、このことに医学部受験生がどこまで反応するかです。
私は今回の学費減額には、医学部受験生の大きな反応は
ないように思います。