すっかりご報告が遅くなってしまいましたが、
先週の木曜日に私立歯科大学協会さんから
ご依頼を受けて講演をしました。
全国の私立歯科大学の事務職員の方々が集まって
2年に1度、研修会が行われるのですが、
その中のプログラムの一環として、
一昨年に引き続き、お声をかけていただきました。
一昨年の講演では、日ごろ受験生と身近に接している立場から
自分なりの考えをお話しさせていただきましたが、
志願者減少が続く私立歯学部の現状に関して、
随分と厳しいことも言わせていただきました。
それにも関わらず、今回も呼んでいただき、
非常に恐縮すると同時に光栄に思いました。
私立歯学部は今年度も17大学中10大学が定員割れとなり、
先日の朝日新聞夕刊の一面には
『私立歯科大 値下げ続々』といった見出しで
授業料減額に関する記事が大きく出ました。
『私立歯科大、納付金値下げ合戦 学生確保へ半値も』
http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY201111280177.html【asahi.com】
この記事では、松本歯科大学が来年度から
大幅に授業料を減額することが
取り上げられています。
私立歯科大学協会の方の話によると、
この記事を書いた朝日新聞の記者が
事前に取材におみえになったそうです。
記者の方には私立歯学部の現状にとどまらず、
現在の歯科医療と今後の展望についても
1時間半ほどお話しして、
よくご理解いただけたとのことでした。
ただ、新聞記事として出る時に、
多少刺激的な見出しになってしまうのは、
マスコミ報道としては仕方のないことかもしれません。
他にも高齢化社会が急激に進むにつれ、
在宅歯科診療の割合が非常に増えていることや、
東日本大震災にまつわる様々なエピソードなど、
非常に有意義な話を聞くことができました。
こういった情報は、受験生にもしっかり伝えていきたいと
思っています。
私の講演では、私立歯学部入試の
厳しい現状について触れつつ、
国公立歯学部では既に志願者数が下げ止まっていること、
私立歯学部でも志願者数が回復すると思われることなどを
お話しさせていただきました。
その時に、「自然に志願者が回復するのを
ただ待っているのではなく、
大学や業界全体から歯科医師・歯科医療に対して
世間の人々にプラスのイメージを持ってもらえるよう、
積極的に働きかけていくことが大事ではないか」
というご提案をしました。
前回も私立歯科大学協会さんでの講演をご縁として、
東京歯科大学と日本歯科大学でも
教職員の方々に向けた講演をさせていただきました。
今回の研修会に参加された職員の方々にとっても
私のお話しが少しでも参考になれば幸いです。
講演の後の懇親パーティーでは、
慶應義塾大学の国際医学情報センターで
理事を務めていらっしゃる先生から
ざっくばらんなお話しを聞くこともできました。
研修委員長を務めていらっしゃる
昭和大学歯学部長の宮崎先生にも久しぶりにお会いでき、
こういった会では様々な方とお会いして、
非常に興味深いお話しを聞くのも
貴重な経験の1つだと思っています。
さて、先週の金曜日に文部科学省から、
2012年度の医学部定員が増員されるという
ニュースが発表されました。
【文部科学省のホームページ】
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/12/1313980.htm
私立医学部は9大学37人の増員計画が予定されており、
12月中には文部科学省より正式に認可が下りる予定です。
ほとんどが地域枠での増員になりますが、
特に目立つのは、これまで地域枠を導入していなかった
東海大学と愛知医科大学で地域枠の募集が行われることです。
このところ、毎年入試直前の12月に医学部増員が
認可されることが多く、
改めて情報の大切さを感じさせられます。
知らなくて受けられなかったということのないように、
私どもも受験生の方々にしっかりと情報を
伝えていかなければならないと思っています。