昨年の入試では、定員102名に対して4,132名が出願し、
志願倍率40.5倍という大変な競争率になった日本大学医学部一般入試ですが、
今年はどうなるでしょう?
昨年、日大医学部の志願者が急増した理由として、
センター試験の難化が考えられます。
昨年のセンター試験は難しく、
受験生が事前に思い描いていたような点数が取れませんでした。
その結果、国公立医学部志望者の中で、
私立医学部で出願が間に合う大学を大慌てで探した受験生が少なくなかったと思われます。
出願するためには、まず入学願書を取り寄せ、調査書や写真を用意し、
受験料を振り込んで…と、それなりに時間がかかります。
昨年の医学部入試前期・Ⅰ期で出願締切が最も遅かったのは、
日本大学医学部と大阪医科大学でした。
もともと大阪医科大学は国公立医学部との併願が多い大学ですし、関西ということもあり、
日本大学医学部がセンター試験難化の影響を最も受けたと思われます。
その結果、志願者が前年より768名増となったと考えられます。
増えた768名だけで、倍率7.5倍でした。
日大医学部の出願締切は、今年も最も遅い1月31日です。
ここのところは、昨年と変わっていません。
問題はセンター試験がどうなるかです。
昨年の難化を考えれば、今年は少なくとも、
昨年以上に難しくなったり平均点が下がることはないと思います。
むしろ、多少は揺り戻しがあるのではないかと考えています。
また、昨年の志願者数を見た受験生の中には、
「日大は無理」と考える医学部受験生もいそうです。
もう一つ、見逃せない点があります。
日大医学部の1次試験日である2月8日は、
聖マリアンナ医科大学、東京女子医科大学、
昭和大学医学部、東海大学医学部の2次試験日と重なっています。
2月8日・9日の2次試験をどう振り分けるかは、
今年の医学部入試の最も大きなポイントと言えるくらい、
医学部受験生を悩ませていることでしょう。
2次試験がこれだけ重なれば、
「日大は受けられない」と考える受験生もいるでしょう。
こういったことを考えると、日本大学医学部の志願者は4,000人を割り込み、
3,500人~3,600人程度になるのではないかと考えています。
昨年より500人~600人程度の志願者減になるのではないでしょうか?
また、たとえ日大医学部に出願したとしても、
上に述べましたように、4大学の2次試験日と重なっています。
2次試験日は選択できますが、それにしても他大学の2次試験受験のために
日大医学部の1次試験を欠席する受験生もいるでしょう。
「他大学の2次試験を受験する」ということは、1次試験に合格したということです。
つまり、学力上位の受験生と考えられます。
日大医学部の志願者が思ったほど減らないこともあるかもしれませんが、
実際の受験者は確実に昨年よりも減るでしょうし、
しかも、成績上位層が少なくなると考えられます。
これら様々な要因を考えれば、日本大学医学部は、
昨年の志願者数を見て怯む必要はなさそうです。