私立医学部入試は基本的に、
短い試験時間の中で合格点を取る戦いです。
私立医学部入試は2,000人~3,000人程の受験生が
100席ほどの席を競う戦いですから、
1点の重みが他学部の入試とは異なります。
数年前、ある医学部の繰り上げ合格者が
80数名だったことがあります。
その大学の入試担当者が耳打ちしてくれたのですが、
80数名は3点の幅の中にいたとのことでした。
同点で30名程の受験生がいたことになります。
この大学医学部が特別ではなく、
募集定員と受験者数を考えると、
1点に30名程度は当然でしょう。
こういった厳しい医学部入試を勝ち抜くためには
「他の受験生が出来ない問題を
解けるようにすることより、
解けなければならない問題を
確実に解けるようにすることの方が大切」です。
難問を解くことより私立医学部入試としては
標準的な難しさの問題をきっちりと
点にすることの方が大切です。
それも「短い試験時間の中で」です。
「じっくり考えれば出来る」では
試験時間の短い私立医学部入試では
厳しい戦いとならざるを得ません。
試験時間が長い国公立医学部入試とは、
かなり違いがあります。
私立医学部受験生が、今やるべきことは
「穴を埋めること」です。
他の多くの医学部受験生が出来るところで
落とすことは、なんとしても避けたいところです。
昨日、「ファイル式のノートを用意してください」
とお伝えしましたが、これからの勉強で
このノートを使うのも一つの良い方法です。
医学部受験生の皆さんの今の勉強は、
問題をどんどん解いているのではないでしょうか?
問題を解きながら抜けているところを
確認しているのではないでしょうか?
問題を解いて、抜けていることが分かったり
気づいたことがあったりした時に、
それをファイル式のノートに書き込んでください。
ファイル式ですからページ数が増えても大丈夫です。
科目ごとにページを分けますが
ノート自体は一冊にしてください。
このノートこそが最後の頼みです。
このノートを見ることで、
抜け落ちていたことが全て分かります。
ここでポイントがもう一つ。このノートは
入試期間中も書き込み続けて下さい。
入試が始まるまでを考えると
「そんなノートを作っても、それほど書き込めない」
と思うかもしれません。
違います。
入試が終わるまで書き込み続けるのです。
医学部後期入試は2月12日(日)の
埼玉医科大学後期試験から始まりますが、
最後の大阪医科大学後期の1次試験は
3月10日(金)です。
私立医学部入試の最初の試験1月18日(水)の
岩手医科大学医学部1次試験から
2ヶ月近い試験期間となります。
実際に私立医学部入試を受験して
「あそこが抜けていた、あれが出てこなかった」
という部分を入試期間中もノートに書き込んでください。
浪人生の皆さんは分かると思いますが、
私立医学部入試では同じ様な問題が、
また出題されます。
その時は確実に解けるようにしておいて下さい。
そして、入試当日も各科目の試験開始直前に
そのノートを見直してください。
出来ない問題が確実に減っていきます。
センター試験や私立医学部の最初の試験を考えると、
残された時間は多くはありません。
しかし、私立医学部入試は約2ヶ月続きます。
まだまだやれることは、いくらでもあります。
いくらでも伸びます。
毎年、このことを強く感じさせられます。