医学部入試

北里大学医学部の合格最低点を考える。(2018-05-21)

学院長の田尻です。

前回は、北里大学医学部の入試結果について、お伝え
しました。何と言っても、入学者の女子の人数が
男子の人数を上回ったことには驚かされました。

さて、今回は北里大学医学部の一般入試の合格最低点に
ついて考えてみましょう。北里大学医学部が公表している
合格最低点は、繰り上げ合格まで含めた総合格者の合格
最低点です。総合格者の1次試験の得点になります。
もちろん北里大学医学部一般入試は2次試験もありますが、
1次試験でどれだけ取ればいいのかは、合格最低点を見れば
分かります。

過去3年の北里大学医学部一般入試の合格最低点は、2016年度が
500点満点で290点、昨年の2017年度が500点満点の321点、
そして今年の2018年度入試では500点満点の282点でした。
得点率で言うと、2016年度から58%、64.2%、56.4%となって
います。今年の一般入試は、昨年に比べて試験問題が難しかった
ことが伺えます。前年の合格最低点と比べると得点率で7.8%
下がっていますので、前年との差は大きいものがありました。
点数にして39点も下がっていますので、受験生は入試会場で
「難しい。こんなはずでは」と戸惑ったかもしれません。

しかし、これが私立医学部入試です。年によって問題そのものの
難易度が変化することがあります。他の医学部でも岩手医科大学
医学部の英語や東京医科大学の数学が大きく難化しました。

北里大学医学部の合格最低点は下がる傾向にあります。言葉を
変えて言えば、入試問題は難化傾向にあるということです。
北里大学医学部志望者としては、受験者のレベルが下がって
いると考えない方がいいでしょう。
北里大学医学部一般入試の500点満点に変更はありません。
2013年度入試の合格最低点は372点、2014年度が339点と
300点をかなり上回っていました。2013年度の最低点372点と
今年の最低点282点との差は90点あります。2013年度の過去問を
解いた感覚と今年の入試問題では、かなり感覚的に違うでしょう。
2013年度の問題を解いたときは「出来る」と思った受験生も今年の
試験会場では「ダメだ。解けない」と感じたかもしれません。
「北里大学医学部の入試問題は、難化傾向にある」ということを
知っていれば落ち着いていられたと思いますが、知らないで受験
したとしたら、慌てたかもしれません。

私立医学部入試は多くの受験生が殺到する高倍率の入試です。
学力を上げることが何より大切ですが、それで十分というわけでは
ありません。

北里大学医学部 合格最低点の推移

2013 2014 2015 2016 2017 2018
372点 339点 294点 290点 321点 282点

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