学院長の田尻です。
前回は、北里大学医学部の入試結果について、お伝え
しました。何と言っても、入学者の女子の人数が
男子の人数を上回ったことには驚かされました。
さて、今回は北里大学医学部の一般入試の合格最低点に
ついて考えてみましょう。北里大学医学部が公表している
合格最低点は、繰り上げ合格まで含めた総合格者の合格
最低点です。総合格者の1次試験の得点になります。
もちろん北里大学医学部一般入試は2次試験もありますが、
1次試験でどれだけ取ればいいのかは、合格最低点を見れば
分かります。
過去3年の北里大学医学部一般入試の合格最低点は、2016年度が
500点満点で290点、昨年の2017年度が500点満点の321点、
そして今年の2018年度入試では500点満点の282点でした。
得点率で言うと、2016年度から58%、64.2%、56.4%となって
います。今年の一般入試は、昨年に比べて試験問題が難しかった
ことが伺えます。前年の合格最低点と比べると得点率で7.8%
下がっていますので、前年との差は大きいものがありました。
点数にして39点も下がっていますので、受験生は入試会場で
「難しい。こんなはずでは」と戸惑ったかもしれません。
しかし、これが私立医学部入試です。年によって問題そのものの
難易度が変化することがあります。他の医学部でも岩手医科大学
医学部の英語や東京医科大学の数学が大きく難化しました。
北里大学医学部の合格最低点は下がる傾向にあります。言葉を
変えて言えば、入試問題は難化傾向にあるということです。
北里大学医学部志望者としては、受験者のレベルが下がって
いると考えない方がいいでしょう。
北里大学医学部一般入試の500点満点に変更はありません。
2013年度入試の合格最低点は372点、2014年度が339点と
300点をかなり上回っていました。2013年度の最低点372点と
今年の最低点282点との差は90点あります。2013年度の過去問を
解いた感覚と今年の入試問題では、かなり感覚的に違うでしょう。
2013年度の問題を解いたときは「出来る」と思った受験生も今年の
試験会場では「ダメだ。解けない」と感じたかもしれません。
「北里大学医学部の入試問題は、難化傾向にある」ということを
知っていれば落ち着いていられたと思いますが、知らないで受験
したとしたら、慌てたかもしれません。
私立医学部入試は多くの受験生が殺到する高倍率の入試です。
学力を上げることが何より大切ですが、それで十分というわけでは
ありません。
北里大学医学部 合格最低点の推移
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
372点 | 339点 | 294点 | 290点 | 321点 | 282点 |
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