医学部入試の小論文・面接では、その年に
話題になったことがよく取り上げられます。
医学部入試ですから特に、医療に関する話題
は、よく小論文や面接で取り上げられます。
本庶佑・京都大学高等研究院特別教授が今年の
ノーベル医学生理学賞を受賞しました。2012年
の山中伸弥・京都大学教授、2016年の大隅良典・
東京工業大学教授に続く、日本人として5人目の
快挙です。
今年の医学部入試では、本庶佑教授のノーベル賞
受賞に関する小論文や面接が多くなることが予想
されます。特に、面接ではどこの大学でも聞かれ
そうです。
単純に「本庶教授のノーベル賞受賞、どう思う?」
という質問も多そうです。医学部の面接官としては
「医師を目指しているのなら、当然このニュースに
は大きな関心を持ったでしょ?どう感じた?」と
いうことで聞いてきます。
この質問に対して、本庶教授の受賞理由や研究内容
について詳しく説明する必要はありません。言うに
しても、さらっとで構いません。面接官が求めてい
るのは知識ではなく、ノーベル賞受賞に関する受験
生の感想です。面接官は医学の専門家です。その人
に向かって、医学を専門的に学んだわけではない受
験生が、研究内容を述べたところで浅い話しかでき
ません。面接官は、そんなことに期待しているわけ
では、ありません。
面接官である医学部教員にしてみたら、医学に関す
る知識は医学部入学後に学んでくれればいいわけで、
付け焼刃の知識を振り回されても困惑するだけでし
ょう。
今回の本庶教授のノーベル賞受賞は、医学部入試で
は非常に扱いやすいテーマだと思います。単純に感
想を聞くだけでなく、様々な問いが想定されます。
全くの偶然ですが、日曜日の東京女子医科大学推薦
入試対策講座の小グループ討論の練習では「ハイパー
カミオカンデ」を取り上げました。「ハイパーカミオ
カンデ」は、梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長が
2015年にノーベル物理学賞を受賞した「ニュートリ
ノ」に関する研究の際に使った宇宙素粒子観測装置
「スーパーカミオカンデ」の次世代版です。
記者からの「この研究は、どの様に役に立つのか」と
いった趣旨の質問に対し梶田所長は「直接的には無い
と思う」といった趣旨の答えを述べています。
ここで問われているのは「社会の役に立つかどうか
分からない基礎研究に多額の国費を投入していいのか」
です。今回の本庶教授の研究も基礎研究でした。具体
的な成果が見えやすい応用研究と違い、基礎研究は社
会の役に立つかどうか研究段階では分かりません。
今年の医学部入試では、本庶教授のノーベル賞受賞に
関連して「基礎研究と応用研究」について問われる
かもしれません。
この質問に「こう答えなければならない」という答え
は、ありません。「私は、こう考える」でいいのですが、
大切なことは、そう考える理由を面接官に分かるよう
に話せるか、です。
本庶教授のノーベル賞受賞は、医学部入試で別の視点
からも問われそうです。もう一つの視点については明
日、お伝えいたします。
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