昨日に続いて、医学部の面接についてです。
今年の医学部の推薦入試、AO入試が進んで
いますが、医学部の推薦入試などを受験した
生徒からの報告を聞くと、医学部の面接につ
いて勘違いしている受験生が多いことを感じ
ます。医学部受験生の勘違いの原因は、受験
生本人の思い込みかもしれませんし、指導す
る塾や予備校の勘違いが原因なのかもしれま
せん。
医学部推薦入試の面接で、異様にマナーにこだ
わる受験生が散見されたとの報告を受けました。
「どうぞ」と座ることを促されても、簡単には
座らない様子に生徒は「いくらなんでもやり過
ぎだろう。今日は、たくさんの受験生を捌かな
くてはならないのに余計な時間が掛かってかえっ
て面接官は迷惑なんじゃないだろうか」と感
じたようです。鈴村学院長が担当しているメル
リックス学院公式ツイッターでも触れられてい
ましたが、医学部入試の面接では、ビジネスマ
ナーを要求されているわけではありませんし、
就職試験の面接でも中学受験の面接でもありま
せん。
医学部入試の面接は、総合大学であっても医学
部の教員が担当します。医学部の教員が医学部
受験生を「自校に迎え入れるにふさわしいか」
という視点で見ているわけです。入室の仕方や
挨拶の仕方、座り方、退出の仕方を徹底的に叩
き込まれた、型にはまった動きしか出来ない受
験生と、礼を失しない自然な振る舞いで伸び伸
びとした受験生の、どちらが医学部教員にとっ
て好ましいかを考えてください。
それ以上に考えていただきたいのが「医学部教
員にとって、何が重要なのか」です。完璧なマ
ナーでしょうか?発言の内容や討論の様子でし
ょうか?メルリックス学院は、毎年発行する
『私立医歯学部受験攻略ガイド』を外部に頼ら
ず、自前で作っています。編集の過程で、最新
の入試情報を得るために全ての私立医学部・歯
学部と直接やりを取りします。「面接で、どこを
見ているのか」「どのような答えを期待してい
るのか」こういったことも大学から直接聞いて
います。けっして「医学部の面接だからこうだ
ろう」「面接官は、こういう受験生を好んでい
るだろう」といった想像では、ありません。
今年の東京女子医科大学推薦入試の小グルー
プ討論では、これまでほとんど見ているだけ
だったテューターの方が、いろいろと指示を
特定の出すこともあったようです。ひょっと、
したら予備校の生徒が自分たちにとって都合
が良くなるように、強引な進行をやろうとす
ることに業を煮やしたのかもしれません。
医学部の面接を考える時には、なぜ医学部で
は面接を行い、医学部教員はどのような受験
生を望んでいるかを考えてください。そこが
医学部面接の出発点です。