近畿大学医学部一般入試後期試験の1次
試験が3月3日(日)に行われます。募
集人員は5名と少ないのですが、それに
惑わされてはいけません。
昨年の近畿大学医学部一般入試後期の正規
合格者は9名です。繰り上げ合格について
は公表されていませんが、繰り上げ合格者
もいたかもしれません。少なくとも昨年の
近畿大学医学部後期入試の合格者は、9名
はいました。募集人員の5名に目を奪われ
ると「受かる気がしない」かもしれません
が、9名なら多少は、気分も変わるのでは
ないでしょうか。繰り上げ合格者がいたと
すると10名以上が合格していることにな
ります。
また、昨年の近畿大学医学部一般入試後期
の志願者は672名でしたが、実際の受験者
は580名でした、100名近い欠席があった
わけですが、多くは他の医学部に合格した
受験生だと思われます。関西医科大学や大
阪医科大学などの医学部に合格した受験生
が、試験当日抜ける医学部入試です。
今年の近畿大学医学部後期の出願状況です
が、2月21日現在で656名です。出願締
め切りが2月19日(火)消印有効ですので、
昨年の志願者672名と同程度の志願者数と
なりそうです。ただ、昨年同様、欠席者も
多いと思います。
医学部受験生の皆さんは、表面的な数字だ
けでなく、一歩踏み込んで考えることも大
切だと思います。
話は変わりますが、金沢医科大学前期のグ
ループ討論に若干の変化がありました。金
沢医科大学のグループ討論には、はっきり
とした「コツ」があったのですが、それを
知っている受験生と知らない受験生では、
明らかな差が出てしまう事を大学として危
惧したのではないかと思います。
変化があれば私達も、それに対応しますの
で、「いたちごっこ」と言えるかもしれま
せんが、医学部入試では、情報力も合格の
大きな要素の一つだと思います。
さて、近畿大学医学部一般後期を受験する
医学部受験生は、前期で出題された問題を
解き直してみることをお勧めします。自分
が受験していなくても受験した友人、塾、
予備校で今年の近畿大学医学部前期の問題
を見せてもらうといいでしょう。
参考までにメルリックス学院大阪校の講師
の近畿大学医学部一般入試前期の問題分析
の概略をお伝えいたします。
近畿大学医学部一般前期の英語は、昨年ま
でと同様に文法語法・正文選択・整序・長
文空所補充・長文総合の5題でした。文法
語法問題は語彙レベルが高く難しく感じる
と思いますが、全ての問題が難しいわけで
はありません。正文選択を苦手とする受験
生は多いと思いますが、基本的な文法知識
で選べる問題もあります。文法語法・正文
選択・整序で時間をかけすぎないことが大
切でしょう。長文総合問題では、「相関関
係と因果関係」について出題されました。
医学部入試では時々出題される内容でも
あり、具体例を考えて読む習慣がついてい
れば、さほど難しくなかったと思われます。
近畿大学医学部一般前期の数学ですが、問
題形式は例年とおりで、小問集合穴埋め1
題、大問穴埋め1題、大問記述式1題でし
た。60分で大問3題は、これまでと変わり
ません。近畿大学医学部の数学は、ここ数
年難化傾向にありましたが、今年度は典型
問題が増えた結果、昨年に比べてかなり易
化したと言えそうです。その分、合格ライ
ンも上昇し、「よくある問題」はしっかり
得点する必要があったと思われます。
近畿大学医学部一般入試前期の化学は例年
どおり大問3題で、Ⅰの問1は無機化学の
反応をテーマに酸化数を問う問題で、これ
は得点しなければならない問題でした。問
2は、中和反応の計算問題ですが無水酢酸
の加水分解などのあまり見かけない反応を
含む計算問題も含まれていました。Ⅱは、
アミノ酸、ペプチド(三量体)の電離平衡・
電気泳動がテーマですが、医学部受験生に
とっては思考力を問われる難しめの問題で
した。Ⅲは問1が核酸の問題で、水素結合
の図示はよく見かける問題でしたが、塩基
の構造をすべて書かなければならないので、
時間を取られたと思われます。問2は、
オゾン分解がテーマであり、標準的な問題
でした。