医学部入試

自学で上手く行く人、行かない人(2019-04-02)

医学部受験生の中には、「人から教えて
もらうより自分でやった方が上手く行く」
と考えている人もいるようです。「みんな
と一緒の授業では、分かっていることも
やらざるを得ない。自分でやれば、自分
に必要なことだけ出来る」とか「自分で
やれば自分のペースで出来て効率のいい
勉強ができる」などと考えてのことのよ
うです。

逆に、「みんなと一緒だと、ついていけな
い」と考えて、みんなと一緒にできる所
まで自分でやろう」という考えの受験生
もいるようです。

医学部を目指す浪人生が、塾や予備校に
行かないで自分で勉強を進めることも、
一つの方法だと思います。ただ、自分で
勉強することが向く受験生と向かない受
験生がいると思います。

先日、四国で講演があり大阪校のスタディ
サポーター2名も同行してもらいました。
行き帰りで48時間、ずっと一緒にいて様々
な話をしました。

二人は、現役と1浪で国公立医学部に進学
した灘高校の卒業生です。現役で国公立医
学部に進学したスタディサポーターに高校
時代、塾でどんな勉強をしていたかを聞く
と「自習室にいました」との答えでした。
「授業も多少は出たけど、授業以上に自習
室を活用した」とのことです。

1浪で国公立医学部に進学した、もう一人
のスタディサポーターも、やはり「浪人時
代は自習室が多かった」とのことです。ち
なみに、この医学部生に「なぜ、今の大学
を受けたの?」と聞くと「数学が苦手だか
ら」と答えてくれました。「ふーん、じゃあ
センターの数学は、どうだったの?」と聞
くと「9割です」「センター9割で苦手?」
「センターレベルの問題は解けても、国立
2次で、難しい問題を出す大学の数学は出
来ないんです」というような会話が続きま
した。

彼は灘高生の中では、数学が見劣りしたの
かもしれません。彼の言う「数学が苦手」
は普通の私立医学部受験生の感覚とは違う
気がしました。

こういった医学部生達が合格体験記などで
「受験生の時は、自習室にこもってバリバ
リ問題を解いた」と書いていたりします。
もともと基礎学力が高く、自分を客観的に
見ることが出来、各医学部の入試もよく分
かっている医学部受験生なら、自分で受験
勉強を進めることもいいと思います。

ただ、普通の受験生が同じように医学部合
格に向けての勉強を自分で進めることは、
必ずしも正しいとは思いません。

参考書や問題集をやって、理解できればい
いのですが、「どういうことだろうか?」
「どうしてこうなるんだろうか?」「こっち
は、なぜダメなんだろうか?」といったこ
とが曖昧なままになってしまったり、理解
したつもりが間違っていたり、解決するま
でに必要以上に時間が掛かってしまったり
することがあります。

自分では「ここが足りない」と思っていて
も先生から見ると、そうではなかったりす
ることもあります。

医学部入試で、ごく標準的なレベルの問題
に、まだ自信が持てていない受験生が自分
で勉強を進めるのであれば、医学部入試を
よく分かっていて、受験指導の経験豊富な
人に緊密に相談しながら勉強することをお
勧めします。

自分で勉強を進めるのなら、疑問点をすぐ
解決する方法と、志望する医学部の入試で
出題される問題を解くために、自分は何を
するべきかを、相談出来る相手を見つけて
置くといいでしょう。

志望校では出題されないような問題や、自
分が解けなくても他の受験生も解けず、そ
の問題が解けなくても合格は出来るような
問題をやっている時間はありません。

志望校の入試問題を解くために何をやるべ
きかを、しっかり考えて勉強を進めてくだ
さい。

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