昨日は「医学部を目指す浪人生が、塾や
予備校に行かず自分で勉強を進めるのも
一つの方法。ただし、それが向く受験生
と向かない受験生がいる」とお伝えいた
しました。
医学部志望の浪人生が、いわゆる宅浪を
して自分で受験勉強を進める際に注意す
べきことを考えてみましょう。
まず、「何のために受験勉強をするのか」
に立ち返ると「志望する医学部の入試で
合格するため」でしょう。言葉を変える
と「志望する医学部の入試で出題される
問題を解くため」でしょう。さらに言う
と「志望する医学部の入試で出題される
問題さえ解ければいい」「医学部の入試
で出題される問題全てを解けるように
するのではなく、合格点が取れるように
なればいい」のはずです。
宅浪生の皆さんは、「自分はどこまでや
ればいいのか」という視点を忘れないで
ください。あくまで「志望校で合格する
ために自分は」です。
ただし、入試は他の医学部受験生との比
較になります。一人よがりではなく、実
際の入試で、「他の受験生から抜け出す
ために自分は、どこまでやるべきか」で
す。
自分で受験勉強を進めるとなると教材は
市販の問題集になるでしょう。ここで注
意しなければならないことは「市販の問
題集は自分の志望校のために書かれたも
のではない」ということです。
定評のある問題集、参考書であってもそ
れは、学部を絞って書かれているわけで
は無く、どの学部志望者にも万遍なく使
いやすいから受験生全体として「定評が
ある」となるわけです。
「どこの大学、学部を受けるにせよ、大
学受験生として、これは出来なければ」と
いうことをやるのであれば、「定評ある問
題集」でもいいと思います。
ただ、そこから先は志望校に直結する勉強
をした方がいいのは当然です。定評ある問
題集に載っていても「志望校では出ない問
題」をやっている時間はありません。
逆に他の学部では、それほど多く出題され
るわけではないけれど医学部では、しっか
りやっておきたい分野が市販の問題集では
手薄になる恐れがあります。例えば数学の
「データの分析」や「図形の性質」の「空
間図形」です。昭和大学医学部を受験する
のであれば問題集には無くても「確率分布」
はやっておくべきです。
また化学では、医薬品など医療に関する物
質が取り上げられたり、核酸やATPなど、
生命と密接にかかわる、医学部ならではの
問題も出題されます。
全ての受験生を対象にした問題集ではあま
り取り上げられない、こういった問題こそ
が実際の入試で「差が付く問題」です。
他の受験生が、それほどやっていない
問題できっちり点が取れれば、そこで
差を付けることが出来ます。
宅浪生の皆さんは「定評ある問題集を仕上
げれば、それでいい」と考えがちです。し
かし、問題集全てが自分に必要というわけ
ではないかもしれません。「とにかく目の
前の問題集をやればそれでいい」と安易に
考えず、「自分が取り組むべき問題は何か」
をちゃんと考えて勉強に取り組んでくださ
い。
受験勉強に使える時間は限られています。
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