センター試験に代わって再来年1月から実施
される「大学入学共通テスト」の2回目の試
行調査(プレテスト)が、昨年11月に高校生
6万8千人を対象に行われました。
2回目のプレテストでは、1回目と同様に国
語と数学で、それぞれ3問ずつ記述式の問題
が出題されました。採点の結果、国語の記述
式問題の正答率は75.7%、48.5%、15.1%で
した。国語の記述式問題の正答率について大
学入試センターでは「想定どおり」としてい
ます。1回目のプレテストでは、国語の正答
率が低かったため、2回目となる今回のプレ
テストでは、問題文を分かりやすい問題文に
したことで大学入試センターが想定する正答
率となりました。
一方、3問出題された数学の記述式問題の正
答率は、5.8%、10.9%、3.4%と前回のプレテ
スト同様、かなり低い正答率になりました。
正答率が3.4%、5.8%ということは、ほとんど
の受験者が解けなかったことになります。数学
は1回目のプレテストの正答率も低く、大学入
試センターでは修正を試みましたが正答率は、
思うように向上はしませんでした。
また、2回目のプレテストで数学の記述式問題
の無回答率は17.3%、44.5%、62.0%でした。
記述式問題の3問中2問は、半数程度の受験者
は、全く答えられない状況でした。
大学入試センターでは、3回目のプレテストを
行うことも考えていましたが、問題作成におけ
る必要な情報は得られた、として3回目のプレ
テストは行わないこととしました。
センター試験に代わる新テスト「大学入学共通
テスト」では、センター試験では無かった記述
式の問題が出題されますが、数学の記述式の正
答率が3%、5%と聞けば医学部、歯学部を目
指す理系受験生であっても「解けるのか?」と
不安に思うでしょう。
問題そのものも、問題文が長くなり今年のセン
ター試験の数学ⅠAは15ページだったのが、
2回目のプレテストの数学ⅠAは21ページあ
りました。解答するために読まなけらばならな
い文章や資料が増えた結果です。私もプレテス
トの問題を見ましたが、数学の力だけでなく国
語の読解力も必要だと感じました。
理系学部である医学部、歯学部を志望する人の
中には国語に苦手意識を持つ人もいるでしょう。
こういったことから、「2021年からの新テスト
は回避したい」と考える受験生、高校生は多い
と思います。
そうなると医学部受験生、歯学部受験生として
は「今年で決めたい」と言う意識が強くなると
思われます。
この「今年で決めたい」という意識は医学部、
歯学部の志望動向に影響を及ぼすと考えられま
す。私は、来年度の医学部入試、歯学部入試は
これまでと大きく変化する可能性が高いと考え
ています。先日の医学部合格のためのオンライ
ンセミナーでお話ししましたが、来年度の医学
部入試、歯学部入試は国公立と私立で逆の動き
になると考えています。