昨年、「医学部不適切入試」が社会的に大きな
問題となりました。文部科学省の医学部に対す
る緊急調査で国立大学医学部、私立大学医学部
合計9校の医学部入試で、不適切な取扱いがあ
ったことが判明しました。また、不適切入試が
行われた疑いを指摘された大学も1校ありまし
た。

これを受け、各医学部は「開かれた入試」「透明
な入試」を進めています。その一つとして、入
試問題の公表にとどまらず、解答例の公表に踏
み切る大学も出てきました。私の調べた範囲では、
私立医学部7校で解答例や出題の意図の公表を
行っています。

解答例や出題の意図を見ることは、大学が考え
ている「正解」を知るだけでなく、出題者がど
ういう解答を期待して問題を作ったかが分かり
ます。医学部受験生の皆さんなら、いわゆる赤
本の答えが、間違っていることもあることは
知っていると思いますが、大学が公表する解答
であれば、間違いありません。

解答例や出題の意図を公表している私立医学部
7校についてお伝えいたします。

東京慈恵会医科大学と久留米大学医学部は、解答
例を大学で閲覧できます。もちろん、メルリック
スでも閲覧させていただきました。ただ、東京慈
恵会医科大学の解答例の閲覧は5月31日までで
したので、現在は閲覧することは出来ません。

日本大学医学部、北里大学医学部、大阪医科大学、
関西医科大学、兵庫医科大学の解答例や出題の意
図は、各大学のホームページで見ることが出来ます。
北里大学医学部は、小論文の問題も掲載しています。
著作権の問題で英語や国語の問題はホームページへ
の掲載は難しいようで、例えば兵庫医科大学でも英
語は問題を掲載していません。北里大学は受験生の
ために、小論文の課題文の著作者に掲載の許可を取
ったのだと思います。英語の問題を掲載している大
学も著作者の許可が取れたのだと思います。

なお、藤田医科大学では入試問題をホームページで
公開していますが、同時に入試問題に疑義がある場
合の大学への質問の仕方も掲載しています。

医学部各大学が受験生のために、こういった様々な
情報公開を行う動きが広がることを期待します。

なお、この他に解答例や出題の意図を公表いている
大学があるようでしたら、このブログの問い合わせ
から、お知らせいただければ幸いです。その際は、
追加情報をこのブログでお伝えいたします。