2021年1月からセンター試験に代わって
行われる大学入学共通テストでは、「読む」
「書く」「話す」「聞く」の英語4技能を
計るため、英語の民間資格・検定試験を利
用することになりました。
2018年3月に大学入試センターから、大
学入学共通テストへの参加を認められた
英語民間試験は英検、GTEC、TEAPなど
7団体8種類でしたが、その中のTOEIC
が大学入学共通テストへの参加辞退を表明
しました。TOEICは英検に次いで受験者の
多い英語の民間試験で、年間120万人ほど
が受験しています。
参加を取りやめた理由として、TOEICを
運営する国際ビジネスコミュニケーション
協会は「大学入試センターから示された課
題を全て解決する方法を見いだせなかった」
「実施運営、結果提供などの処理がかなり
複雑で責任を持った対応が難しい」という
点を挙げています。
TOEICは大学入試のための試験ではなく、
「日常生活やグローバルビジネスにおける
活きた英語の力を測定する、世界共通のテ
スト」ですから、試験日程や試験結果の提
供時期などを大学入試センターの求めに合
わすことは難しいと判断したのだと思われ
ます。
大学入学共通テストで利用される英語民間
試験は、来年4月から12月の間に受験す
ることになります。TOEICを受験するつも
りで準備をしていた高校生もいるでしょう。
突然、「TOEICは対象外」となり大きな戸
惑いを覚えていると思われます。文部科学
省の調査から「TOEICを受けるつもり」の
高校生は1万人から2万人弱と見られるよ
うです。
英語民間試験の活用に対しては、つい先日も
元東大副学長らが英語民間試験の利用中止の
国会請願をしたばかりでした。
英語民間試験の活用をめぐる、ここのところ
の動きを見ると、「新テスト」が結局どうな
るのか、という受験生の不安が増すばかりだ
と思います。
柴山文部科学大臣は「受験生が不利益を被る
ことがないよう、高校、大学に周知していく」
と話していますが、動揺を抑えるためにも大
学入学共通テストの全貌を早く固めて周知し
てもらいたいと思います。
医学部・歯学部合格を目指して頑張っている
高校3年生、浪人生、再受験生は、目の前の
やるべきことに集中してください。皆さんが
受験する医学部入試、歯学部入試は従来の医
学部入試、歯学部入試です。センター試験に
代わる大学入学共通テストは気になるでしょ
うが、詳細が発表されるまでは気にしても仕
方ありません。
今は落ち着いて、これから受験する医学部入
試、歯学部入試に向けて努力を積み重ねて下
さい。