2021年1月からの実施が予定されている
いわゆる「新テスト」、大学入学共通テスト
で、「聞く・話す・読む・書く」の英語4技
能を計るために、民間の英語資格・検定試
験を活用することが決まっています。
このことに対して、日本の外国語教育の改
善に向けての提言を行う「日本外国語教育
改善協議会」が文部科学省に対して、民間
の英語資格・検定試験の活用をすることに
対して、反対する意見書を提出しました。
6月には、大学入試センター名誉教授、2
名の東大大学院教授などが、英語の民間資
格・検定試験の利用中止を求める請願書を
8,100筆の署名とともに、衆議院と参議院
に提出しています。
さらに7月25日には、全国高等学校校長
協会が文部科学大臣あてに、英語民間試験
活用への懸念を早期に解消するよう求めた
要望書を提出しています。
要望書の中には「実施体制が整うまでは実
施を見送るべきだ、といった声が校長から
相当数あがっている」とも書かれています。
今回、文部科学省に英語民間試験の利用に
対して反対する意見書を提出した日本外国
語教育改善協議会では、大学入学共通テス
トで、有料の民間試験が前提になっている
のは「異常な事態」としています。
また、英語4技能を評価するのは「英語の
民間資格・検定試験でなくとも可能」とし
ています。
「入試を変えることで教育内容を変えよう
というのは、本末転倒」としていて「学校
の授業の中で、ライティングやスピーキン
グを取り入れる方が先」と主張しています。
2021年1月からのセンター試験に代わる新
テスト、大学入学共通テストでの英語民間
資格・検定試験の活用を巡っては、混乱が
続いているように感じます。
何より、受験生が右往左往することが心配
です。一日も早く、高校生や受験生が安心
して受験勉強に集中できるようになること
を祈ります。
ちなみに、私立医学部、歯学部の「センタ
ー試験利用入試」は、2021年から「大学
入学共通テスト利用入試」に移行する予定
の大学が多く、私立医学部受験生、私立歯
学部受験生にとっても、無縁の話とは言え
ません。
医学部・歯学部を志望する受験生や高校生
の方で気になる方は、私立医学部、私立歯
学部各大学のホームページに「2021年度
入試の予告」が掲載されている大学が多く
ありますので、それを見ておくといいで
しょう。