文部科学省が、学校基本調査の速報版を発表しま
した。学校基本調査は、全ての学校に対する調査
で大学についての調査データもあります。

文部科学省の調査は、今年の５月１日を基準とし
て、幼稚園から大学・大学院までを調査の対象と
しています。

この令和元年度学校基本調査（速報値）から、い
くつか見て行きましょう。

２０１９年３月の高校卒業生は、１０５万６千人
でした。このうち、大学を受験した人数は６０万
人で高校卒業生の56.8%が大学受験をしています。
短大まで含めると高校卒業生の61.2%が大学また
は短期大学を受験しています。

過年度卒業生（浪人生）は７万６千人で、過年度
卒業生を含めた大学受験者数は、６７万４千人で
した。このうち、大学入学者は６３万１千人で、
前年に比べ２千人増えています。

過年度卒業生（浪人）を含む大学への進学率は,
53.7%で過去最高となりました。大学・短期大学
への進学率は58.1%で、これも過去最高となりま
した。

大学進学率が過去最高になりましたが、その全員
が志望する大学、学部に進学したわけではありま
せん。

医学部を志望する受験生が、医学部合格が果たせ
ず、他学部へ進学した場合も大学進学者として扱
われます。歯学部受験生も同じです。

６７万４千人が受験して６３万１千人が大学に進学
していますので、大学受験者の93.6%が大学進学を
果たしています。「93.6%」が大学進学と聞くと、
なんとなく大学入試は簡単なような印象にも見えて
しまうかもしれません。しかし、大学・学部を選ば
なければ大学受験はそれほど難しくなくても、医学
部や歯学部への進学は、とても「簡単」とは言えま
せん。

医学部受験生、歯学部受験生の皆さんは、表面的な
大学受験の数字に惑わされることの無いようにして
下さい。

なお、大学における女子学生の割合は、45.4%で過
去最高となりました。今年４月の埼玉医科大学医学
部の入学者は男性５９人、女性７１人と女性の入学
者の方が多くなりました。昨年の北里大学医学部に
続き女子の入学者数が男子を上回りました。

今後、女子の大学生の割合は増えて行きそうな感じ
がします。