「1点を争う入試」、よく聞く言葉です。確かに
入試では合格最低点に1点でも足りなければ、
不合格となります。
このことを頭では分かっているつもりでも、実
感として「1点の重み」を分かっているでしょ
うか?
医学部入試、歯学部入試に限らず、どの入試で
も「1点勝負」なのは変わりませんが、特に入
学者数を厳正に管理している医学部入試、歯学
部入試では、1点の重みは他学部以上です。
以前、医学部一般入試で繰り上げ合格者が81名
の医学部がありました。その大学の入試担当者
から「81名の繰り上げ合格者は、3点の幅の中
にいた」とお聞きしました。
1点に27人いた計算になります。
この医学部の志願者数は、特別多いことはあり
ません。私立医学部一般入試の志願者としては、
ごく「普通」の志願者数の医学部です。
志願者が3千人を超えるような医学部であれば、
1点にさらに多い40人、50人の医学部受験生
が並んでいるでしょう。
先程の繰り上げ合格者が81人の医学部は、募
集人員も81人の繰り上げ合格者数とそれほど
違いません。単純に言えば、「トップ合格の受
験生も3点落とせば不合格」といったイメージ
です。
模擬試験でつまらないミスで2点落としても
「あっ、やっちゃった」で終わらせていません
か?2点違えば60人くらいに抜かされます。
順天堂大学医学部の一般入試Aの募集人員は
60名です。北里大学医学部一般入試の募集人
員は65名です。受かるはずの人も残念な結果
になりかねません。
1次試験に合格して2次試験に臨んだものの
2次試験の結果は補欠。繰り上げを待ったが
繰り上げ合格にはならなかった。こういった
医学部受験生も少なくないでしょう。1点か
2点の差だと思われます。
補欠で終わってしまった受験生は「惜しかった」
と言えるのかもしれません。あと1点だったか
もしれません。しかし、結果としては厳しいよ
うですが「不合格」です。
「惜しかった」は、なんの慰めにもなりません。
「惜しかった」で終わらせず「ぎりぎりで来た」
とするためにも、1点を大切にしてください。
ちなみに福岡校の生徒で、今年の3月下旬の合
格祝賀会当日に繰り上げ合格の連絡が来て、祝
賀会にこれ以上ない笑顔で参加した生徒がいま
した。
少し前になりますが、補欠順位の付いている医
学部で最後の繰り上げ合格者になった生徒もい
ました。今年、4月に入って繰り上げ合格が廻
ってきた生徒もいました。
医学部受験生も歯学部受験生も日頃の勉強から
1点の重みを考えて勉強に取り組んでください。