河合塾が、8月に実施した「第2回 全統マーク
模試」から見た志願者動向分析を発表しています。
第2回全統マーク模試の受験者は約40万人で、最
も多くの受験生が参加する模試、と言えると思いま
す。この全統マーク模試で、受験者が合格可能性判
定を求めた大学・学部を集計、分析しています。
国公立大学前期日程の全志望者数は前年比97%で、
3%の減少でした。大学別に見ると河合塾が「難
関10大学」とする北海道大学、東北大学、東京
大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大
学の旧7帝国大学と東京工業大学、一橋大学、神
戸大学の3大学の「難関10大学」では志望者が
前年を5%下回っています。
日程別に見ると公立大学が行う中期日程の志望者
は2%増となっており、受験生が国立大学より入
試難易度が低いことの多い公立大学を意識してい
ることが伺えます。
国公立大学志望者にとって、1年後からセンター
試験に代わって行われる「大学入学共通テスト」
は不安材料で、これを避けようと「今年で決める」
ため「難関」と言われる大学を避けるような動き
が感じられます。
国公立大学の学部別志望動向を見ると医学部は、
「医・歯・薬・保健」というグループにまとめら
れており医学部医学科の志望動向は、はっきりし
ません。ちなみに「医・歯・薬・保健」は4%減
で、国公立大学全体の減少幅を上回っています。
さて、第2回全統マーク模試から見た、私立大学
の志願動向ですが私立大学全体の志望者は前年よ
り2%増えています。
大学別に見ると早慶上理と言われる「早稲田、
慶應、上智、東京理科」や「MARCH」と呼
ばれる5大学、「関関同立」と呼ばれる関西の
4私立大学は、軒並み志望者を減らしています。
私立大学全体では志望者が増えている中、こう
いった大学が志願者を減らしていることから、
ここでも受験生の「安全志向」が見て取れます。
私立大学の志願動向を学部別に見ると「医・歯
・薬・保健」は、2%増と私立大学全体と同じ
増加率となっています。
この「医・歯・薬・保健」の中の医学部医学科
の志望者は、河合塾の発表によれば前年を7%
も下回っています。私立大学全体としては志望
者増となっていますが、医学部は大幅減です。
これについて河合塾は「医学科の人気は国公立
大同様、下火となっており、来春入試では競争
の緩和が期待できそうな状況です」とコメント
しています。
私立医学部の志望者は減るかもしれません。し
かし「入りやすくなるか」と問われれば「そん
なことはない」と私は答えます。
他学部に比べ異様とも言える競争倍率は、若干
緩和されるかもしれません。しかし、それでも
「異様な倍率」に変わりはありません。
また、志望者が減ったとしても多くは「医学部
合格は、かなり厳しい」受験生だと思われます。
合否を争う受験生は減らないと考えていいと思
います。医学部を目指す受験生の皆さんは、ゆ
めゆめ、気を緩めることの無いようにして下さ
い。