ラグビーワールドカップの日本代表チームは、
残念ながら南アフリカに敗れてしまいましたが、
にわかファンも以前からのファンも「よくやった」
と思っているのではないでしょうか?
選手たちの表情やインタビューを見ていると、悔
しさとやり切ったという気持ちの両方を持ってい
るように感じました。
テレビでもラグビーの話題が多く取りあげられて
いますが、その中で元日本代表の広瀬さんが、今後
日本のラグビーがさらに強くなっていくための提言
をしていました。
「日本のラグビーがもう一段強くなるためには、ラ
グビー選手全体の底上げが必要。選手たちは頑張っ
ているが、日頃の練習はともすれば練習のための
練習になりがちだ。そこから変えて行かないといけ
ない」と話していました。
「練習のための練習」とは、厳しい練習をやること
が目的になっていて、厳しい練習を行うことに価値
を見出し、そこで思考が止まってしまうことを言っ
ているのでしょう。
「試合では、こういう場面でこういうプレーが必要
となる。そういうプレーをするために今、この練習
をする。」という意識を持って日々の練習をして欲
しいということだと思います。
受験勉強も同じです。
受験勉強は、楽しくはないかもしれません。しんど
いことの方が多いかもしれません。それでも皆さん
が受験勉強に取り組むのは「将来医師になって多く
の病める人の支えとなりたい。そのためには医学部
に進学しなくてはならない。医学を学ぶために医学
部に進学したい、医学部入試を突破したい」からだ
と思います。
歯学部受験生も同じでしょう。「将来、歯科医師に
なりたい。そのためには歯学部入試を突破して歯
学部に進学しなければならない。そのために受験
勉強を進めている」のでしょう。
だとすれば、受験勉強は医学部入試、歯学部入試を
乗り越えるために取り組んでいるはずです。受験勉
強の目的は、そこにあるでしょう。
例えば、数学が得意な受験生が難しい問題を1時間
以上、ウンウン考えて解いて「やった!」と気分良
くなって「今日は充実した勉強が出来た」と思う
ことはどうでしょう?
無駄とは言いません。しかし、私立医学部入試も
私立歯学部入試も試験時間は短く、1問に1時間も
かかる問題は出ないと考えていいでしょうし、入試
で1問に1時間もかかる問題を解いていては時間が
足りなく、合格点は取れないでしょう。
私立医学部では昭和大学医学部、東北医科薬科大学
医学部、私立歯学部では北海道医療大学歯学部、大
阪歯科大学でしか出題範囲に入っていない「確率分
布」を、それらの大学を受験する予定のない受験生
が「教科書に載っているから」と、なんとなく受験
勉強として取り組むのはどうでしょう?
「もの凄い量の受験勉強をやった」そのこと自体は
素晴らしいことだと思いますが、その中身が受験勉
強の目的である「志望校に合格する」ための勉強に
なっているか、しっかり考えて受験勉強を進めてく
ださい。