再来年の1月から現行のセンター試験に代わって
実施される、大学入学共通テストで予定されてい
た記述式問題の導入が見送られる方針が固まった、
との報道がありました。
NHKは記述式問題について「文部科学省は再来
年1月の実施を見送る方向で調整に入った」と
報じています。
朝日新聞や日本経済新聞などは、一歩踏み込んで
「文部科学省は、来週に記述式問題の導入見送り
を表明する方針を固めた」と報じています。読売
新聞はさらに踏み込んで「羽生田文部科学大臣が
17日に発表する」と書いています。
大学入学共通テストでの記述式問題は、文章や数
式を受験生に書かせることで思考力や表現力を試
す狙いがありました。具体的には国語と数学で、
それぞれ3問ずつ出題される予定でした。
しかし、記述式問題の採点は民間業者に委託され
ることで「アルバイトの採点者で採点の質が確保
されるのか」ということが指摘されていました。
また、受験生の自己採点の難しさも言われていま
した。
文部科学省は、こういった指摘に対して改善を検
討してきましたが、「現状では改善は難しい」と
判断したようです。
来週にも文部科学省は記述式問題導入見送りを
発表するようですが、英語民間資格・検定試験の
利用見送りと、この記述式問題導入見送りを受け
て受験生は、どう動くのでしょうか?
現行のセンター試験と大学入学共通テストとの
残る大きな違いは英語の配点です。現在のセン
ター試験の英語は筆記200点、リスニング50
点となっていますがこれを筆記100点、リス
ニング100点とします。
このことを受験生がどう考えるかですが、筆記
と同じ配点になるリスニングを得意とする受験
生は少ないと思います。
大学入学共通テストでは思考力を試すために、
複数の資料を読み解く問題を多くする方針もあ
ります。
受験生としては、大学共通テストへの不安は拭
えないように思います。やはり慎重な出願にな
るのではないかと思います。
ただ、英語の民間資格・検定試験の利用や記述
式問題の導入が予定されていた時点とは受験生
の気持ちも変わってくると思います。受験生の
動向は今後も慎重に見極めて行く必要があると
感じています。
いずれにしても国公立医学部入試、私立医学部
入試のどちらも、安全志向から志願者が減るこ
とがあっても入試難易度が下がることは無いで
しょう。