旺文社の教育情報センターが12月10日付で、
「大学入試 超安全志向の裏側で指定校から
の入学者が増加!」という記事を公開してい
ます。
入試で推薦入試を実施する私立大学は2000年
入試では475大学でしたが、2018年入試では
109大学増の584大学となりました。
こういった状況の中、旺文社は私立大学各大学
に対し、独自に調査を行いその結果を公表しま
した。
この調査では、各大学の1年次入学者数と、
その入学者が一般入試、公募制推薦入試、指定
校制推薦入試、付属校・系列校推薦入試、AO
入試、その他の入試(帰国子女入試など)の
6つの入試区分のうち、どの入試からの入学者
かを調査しています。
大学から解答のあった、2019年4月の入学者
数は419,059人で、カバー率は80%を超えて
います。この調査は私立大学全体の傾向を物語
っていると考えていいでしょう。
この調査によると私立大学で、今年の4月入学
者のうち一般入試での入学者は45.4%、推薦入
試からの入学者は38.8%、AO入試での入学者
は10.6%、その他5.2%となっています。
一般入試での入学者は半数を切っていて、推薦
入試とAO入試を合わせた入学者の割合49.4%
を下回っています。
推薦入試からの入学者数を細かく見て行くと、
公募制推薦入試の入学者の割合は過去6年、
11%台で変わっていません。これに対して、
指定校推薦入試からの入学者の割合は、5
年前と比べて2.5%増えています。
2019年度入試では入学者のうち、公募制推
薦入試からの入学者11.0%に対し指定校制
推薦入試からの入学者は20.7%となってい
ます。今や、推薦入試は指定校制推薦入試
が主流になっていることがわかります。
旺文社は、「早く確実に合格したいという
受験生心理の表れ」、としています。
確かに指定校推薦入試は、合格の可能性が
非常に高くなることが一般的です。ただし、
医学部入試、歯学部入試は甘くありません。
今年の北里大学医学部指定校推薦入試の
受験者は78名でしたが、合格者は35名で
した。倍率は2.23倍で、受験者の半数以上
が不合格となっています。
私立大学全体としては、指定校推薦入試は
合格の可能性の高い入試であっても、特に
医学部の指定校推薦入試は甘くないことを
忘れないでください。
指定校推薦入試の例でも分かるように、大
学入試全体の話と医学部入試、歯学部入試
の話を一緒にしないように注意してくださ
い。