先日のブログで、少しだけ触れましたが週刊朝日の
2月21日号の表紙に赤い文字で「医学部バブルが
ついに崩壊」と書かれています。
これに該当する記事を読むと、今年度の志願者数か
ら「ついにバブル崩壊か!?」と、ここには?マー
クがついています。
記事では医学部の志願者減少について「一つの契機
となったと思われるのが、18年に発覚した入試差別
問題だ」とあります。「さらに今後は人口減少など
から、医師が余り、高収入が保証されなくなるとい
う指摘もあり、若年層で医学部進学への魅力が薄れ
てきているのだろう」ともあります。
日頃、医学部進学に向け励んでいる多くの医学部受
験生と接している私の感覚とは異なります。「入試
差別」や「高収入が保証されなくなる」ということ
で、医学部に興味を失う高校1年生や2年生はいる
かもしれませんが、私が接している医学部志望者は
国公立、私立に関係なく「医師となって病で苦しむ
患者のために尽くしたい」ということが、まずあり
ます。
この記事で特に気になったのが、「入試差別問題の
影響を引きずる大学も目立つ」として東京医科大学
と聖マリアンナ医科大学の例を挙げています。
どちらの医学部も「入試差別問題」以前の2018年度
入試と比較して志願者が減っているとしています。
確かに今年度と2018年度の志願者数を比較すると
今年度の方が少なくなっています。
しかし、なんでも短絡的に「入試差別問題」に結び
付けるのは、いかがなものかと思います。2018年度
入試と今年度2020年度入試が同じ条件であれば、こ
ういう言い方も出来るのでしょうが、そこの検証は
全くされていません。
東京医科大学の2018年度一般入試1次試験日で重複
したのは東海大学医学部だけでした。東海大学医学部
の1次試験は2日間あり2日目が重複していました。
東海大学医学部の1日目は受けられますので、東京医
科大学の志願者数に大きな影響はなかったと考えられ
ます。
一方、2020年度入試では日本大学医学部N方式と久
留米大学医学部前期と試験日が重複しました。九州の
受験生のほとんどは、久留米大学医学部に出願したと
思います。その他の受験生も問題の易しい日本大学医
学部N方式と迷ったでしょう。翌日は日本医科大学の
1次試験日ですから、この日は受験せず休息に当てた
受験生もいたと思います。
聖マリアンナ医科大学の1次試験は、2018年度も
2020年度も他の医学部との重複はありませんでした。
ただし、2018年度は聖マリアンナ医科大学1次試験
の前日は、どこの医学部の1次試験も無い空白の1日
でした。
2020年度は、16日間連続で私立医学部の1次試験が
続く中の11日目でした。受験生の皆さんは、「どこを
受けてどこを休むか」で悩んだと思います。しかし、
2018年度は前日が、空白の一日でしたから迷わず聖
マリアンナ医科大学に出願出来たと思われます。
東京医科大学も聖マリアンナ医科大学も2020年度と
2018年度を単純に比較することは出来ないと思いま
す。週刊誌がいい加減に書いているとは思いませんが、
深い考察までは至っていないように思います。医学部
受験生の皆さんは、今年の医学部入試を正しく理解す
るようにしてください。
今年度の私立医学部入試は終わったわけではありま
せんが、29日(土)に鈴村学院長が入試速報説明会
を渋谷本校で行います。ご興味がある方は、ぜひご
参加下さい。残りの席が少なくなっていますので、
参加を希望される方は電話でお申込みください。
当日は、個別相談にも応じさせていただきます。
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