今年の医学部入試は、新型コロナウイルス
感染症の影響を大きく受けた入試となりま
した。
特に現役生の皆さんは「学習の遅れ」が心
配され、新型コロナウイルス感染拡大の影
響を受けた現役生に対する配慮として大学
入学共通テストでは、第2日程も設定され
ました。
私立医学部入試一般選抜全体を見ると、志
願者数を減少させた大学が多くあります。
志願者数を伸ばした医学部もあります。ま
た、微減の大学も少なくないのですが、私
立医学部全体としては減少傾向と言えるで
しょう。
志願者が減れば難易度も下がるのか、と思
うかもしれませんが、そうは思いません。
肝心なことは「合否を争う受験生の状況」
です。
成績上位100人が合格する試験で、その上位
100人に入る可能性のある受験生がどのくら
いいるのか、が大切なポイントです。
私立医学部の志願者は減少傾向にあると思い
ますが、「医学部合格のチャンスは十分」と
考えている受験生は、ほとんど減っていない
と考えています。受かりそうなら他学部には
行かないでしょう。
結局、私立医学部の厳しさは変わっていない
と思います。
既に1次試験の発表もありました。思うよう
な1次試験の結果が出ていない受験生もいる
と思います。「まだこれから」と言われても
気持ちが楽になることは無いかもしれません。
それでも「まだこれから」と言いたいのです。
メルリックス学院だけでも、もう20年以上
受験生を見て来ています。前職を含めれば、
更に多くの医学部受験生を見て来ています。
毎年、合格の報告を聞き「ここで来たか」と
思う生徒が必ずいます。
最後の受験、と決めていた女子の生徒が前半
戦、思わぬ苦戦を強いられ1次試験に合格出
来ずにいました。メルリックスに来て、鈴村
さんに、面談室で大泣きしながら苦しい胸の
内を話していました。
泣き声が、面談室から離れていた私の席でも
聞こえてきました。この生徒は今、東京医科
大学の学生です。日本大学医学部A方式で初
めて1次試験に受かって、最終的に繰り上げ
合格でしたが日本大学医学部に進学した生徒
もいます。
東京医科大学も日本大学医学部も、試験日は
前期入試の最後の方です。
東京医科や日大医学部に受かる受験生が、他
の医学部の1次試験にことごとく受からない、
ということは多くはありませんが、毎年あり
ます。
だから「まだこれから」と言いたいのです。
受験期間中は、気持ちの持ちようが非常に
大切だと思います。医学部は一校しか、行け
ません。その一校の合格が、いつなのかは分
かりません。まだまだ医学部入試は続きま
す。気持ちを整えて医学部入試に立ち向か
ってください。
現役生の皆さんは、試験会場に向かう道の
雰囲気に驚いたかもしれません。多くの予
備校がチラシなどを配っています。
文部科学大臣は、「密」にならないように
塾や予備校にチラシ配りの自粛を求めまし
た。昨日から東京、神奈川では中学受験が
始まりましたが、塾は毎年恒例の応援など
を自粛しています。
メルリックスでも、鈴村学院長の「予備校
は受験生のためにある。予備校が受験生の
不安を煽るようなことをやってはいけない」
との判断で、東京試験会場で「密」となる
チラシ配りをやっていません。
しかし、多くの予備校が試験会場でチラシ
配りをやっていると聞きます。受験生、特に
現役生の皆さんは、びっくりしたかもしれま
せん。
予備校各校には、受験生が安心して受験出来
るように少し考えて欲しいと思いますが、
受験生の皆さんは、驚くことは無くなったと
思います。
試験会場内外の雰囲気にも慣れて、落ち着い
て試験に臨めると思います。
「ここから」です。