「医学部の学生は医師免許を取得するために、
医学部に進学する」と言ってもいいと思います。
その医師国家試験の合格発表が一昨日ありまし
た。
今年の2月6日(土)、7日(日)に全国11か
所で行われた第115回医師国家試験の合格率は、
91.4%でした。前年の合格率92.1%には及びま
せんでしたが、90%を超える高い合格率を維持
しました。
このうち新卒の合格率は94.4%、既卒の合格率
は54.5%と、新卒と既卒では合格率に大きな差
があります。
防衛医科大学を含む、国立大学医学部全体の合
格率は92.5%、公立大学医学部全体の合格率は
93.3%、私立大学医学部全体の合格率は91.1%
で、いずれも90%を超える医師国家試験合格率
でした。
大学別に医師国家試験の合格率を見ると、自治
医科大学医学部が唯一、合格率100%を達成し
ています。自治医科大学医学部は昨年に続き、
2年連続の100%合格です。
新卒の合格率100%は、自治医科大学医学部の
他に、筑波大学医学群、東京医科歯科大学医学
部、信州大学医学部の3校でした。
ちなみに、大学入試で最難関と言われる東京
大学医学部の合格率は91.1%で国立大学全体
の合格率を下回って、私立大学全体の合格率
と同じでした。また、京都大学医学部の合格
率は89.7%で90%を下回りました。
各大学の合格率は、大学が医師国家試験対策
に、どれほど力を入れているかが影響してい
るように思います。
医学部を目指す受験生の皆さんやご家族は、
医師国家試験合格率に関心を持っていると
思います。
医師国家試験合格率を見る際には、合格率
だけでなく、必ず見て欲しいところがあり
ます。「出願者数」と「受験者数」です。
医師国家試験に出願したものの、受験出来
なかった(受験させてもらえなかった、と
言ってもいいかもしれません)学生がどの
くらいの人数なのかも確認してください。
また、既卒の人数も見ておいた方がいいと
思います。医学部を卒業したものの医師国
家試験に合格出来ないでいる卒業生の人数
も確認するといいと思います。
ザックリ言うと、「ほとんどの医学部の学
生は、卒業と同時に国家試験にも合格する
が、新卒で合格出来ないと苦労する」、と
言えるのではないでしょうか?
ちなみに東京大学医学部の既卒者9名の
うち、合格者は3名でした。能力とは別
の問題があるように思います。