医学部合格を目指す受験生の皆さんは医学部
特有の「医学部地域枠」について、きちんと
理解しているでしょうか?医学部入試の中で
もチャンスの大きい入試です。
そもそも地域枠は、どういった経緯で作られ
たか知っていますか?
2000年代に入り、救急車のたらい回しなどが
あり、地方の医師不足が大きな社会的な問題
となりました。
特に地方の医学部では、「都市部の中高一貫
校出身者が多く入学し、卒業と同時に出身地
に戻ってしまい、そのことが地方の医師不足
の一因となっている」と言われました。
具体的には新臨床研修医制度のもと、国公立
大学医学部で自校の大学病院に残る学生が少
ないことが問題視されました。大学病院その
ものが医師不足となり、医師の派遣が困難に
なりました。
こういった事態を受け、地域枠が検討されま
した。
厚生労働省の調査によると、卒業後の医師の
定着率は出身県により大きな差が見られます。
やはり地元の高校出身者の定着率は高く、そ
のことが、医学部の地域枠創設につながって
行きました。
2007年度には医学部定員の2.3%(173名)
だった地域枠は、その後拡充を続け現在では
医学部定員の18%程度が地域枠になってい
ます。
入学定員100名の医学部では、18名程度が
地域枠での募集ということです。医学部受験
生にとって、地域枠は無視できないと思いま
す。
もう一点、医学部受験生が地域枠を理解して
欲しいのは「地域枠の方が一般枠より、一般
的に入試難易度は低い」ということです。
以前、日本医科大学の補欠となった生徒が、
補欠順位で80番以上飛ばして合格になりま
した。福島県枠だったから80人抜きで繰り
上げ合格となりましたが一般枠なら、補欠
止まりの順位でした。
明日以降、医学部の地域枠について、もう
少し続けてお伝え致します。