政府が全額出資する、日本私立学校振興・共済事業
団がまとめた「2021年度私立大学入学志願動向」
には、学部系統別の志願動向もあります。
昨日は、私立大学全体の志願動向について「定員割
れの私立大学は277校で、私立大学全体の46.4%に
もなる」といった話などをお伝えしました。本日は、
私立大学の学部系統別の志願動向について、日本私
立学校振興・共済事業団の調査結果をお伝えいたし
ます。
この「入学志願動向」は、私立大学597校の調査
結果で、調査結果を発表した振興・共済事業団は
「大学の補助金を決めている」、と言ってもいい組
織ですから、他の大学入試に関する調査とは一味
違う深いものになっています。
さて、学部系統別の志願動向で分かりやすいのは、
志願倍率でしょう。志願倍率は、志願者数を入学
定員で割ったものですから、志願者数を総合格者
で割った、実質倍率とは異なりますが大きな傾向
を把握するのには十分な指標です。
さて、2021年度入試で私立大学全体の志願倍率は
7.74倍でした。学部系統別で見ると、薬学系は
6.40倍。歯学系(歯学部歯学科)が3.75倍、看護
などの保健系が4.93倍でした。医療系学部もそれ
ほど高い志願倍率ではありません。
最近、情報系学科が非常に人気となっている理・
工学系は、11.99倍と全学部系統で2番目に高い
志願倍率でした。ちなみに文系で最も志願倍率が
高かったのは社会科学系の8.04倍でした。
そして、最も高い志願倍率だったのは、医学系
(医学部医学科)でした。その志願倍率はなんと、
24.09倍でした。志願倍率2位が、11.99倍です
から医学部医学科の倍率の高さは突き抜けていま
す。
私立大学医学部の志願者数は微減傾向にあります
が、それでも大学入試で圧倒的な人気を集めてい
ることが分かります。