東京慈恵会医科大学医学部医学科一般選抜の1次
試験が明日、行われます。私は東京慈恵会医科大
学医学部医学科の入試について「凄い」と思って
います。
昨年、メルリックスオンラインの生徒で慶應義塾
大学医学部と東京医科歯科大学医学部の両方に合
格し、慶應義塾大学医学部に進学した生徒がいま
した。この生徒の第一志望は最初から「慶應医学
部」でした。
慶應義塾大学医学部は素晴らしい医学部です。私
も「慶應と東京医科歯科の両方に合格したが、ど
ちらに進学すべきか?」と相談を受けた場合、経済
的に問題が無ければ「慶應医学部」と言うでしょう。
慶應義塾大学医学部は、「別格」とも言える存在だ
と思います。一方で、多くの医学部受験生にとって
は「手の届かない存在」とも思えるようです。
そんな中、多くの医学部受験生にとって第一志望校
となり得るのが、東京慈恵会医科大学医学部医学科
ではないでしょうか?
私が、東京慈恵会医科大学医学部の入試が凄いと思
うのは、なぜだか分かりますか?
それは「一般選抜1回の入試だけで105名の入学者
を決める」です。このような私立医学部は他にあり
ません。「慈恵の信念、気概」を感じます。
私立医学部入試は、どの大学も推薦・AOをはじめ、
一般選抜も前期・後期や共通テスト利用入試など様
々な医学部入試を行っています。慶應義塾大学医学
部も付属校推薦入試を行っています。その関係で
慶應義塾大学医学部一般選抜の募集人員は。入学
定員110名に対し僅か66名です。
現在の私立医学部は「多様な人材を入学させる」、
ということで多様な入試を行っています。この
考えは間違っていないと思いますし、今後さらに
進んで欲しいと思います。
一方で、「自校の学生募集に最もふさわしい入試」
に集中する大学があってもいいと思います。
東京慈恵会医科大学の小論文は1200字以上2000
字以内となっていますが、慈恵の在校生によると
これも欲しい人材を募集するための改革だという
ことです。
この入試に対する信念のようなものは凄いと思い
ます。一方で、医学部入試を指導する立場で見た
場合、また別の面が見えます。
それは「105名(昨年までは110名)の募集人員
でも入試難易度は、非常に高い」ということです。
募集人員が多ければ合格のチャンスは広がります。
逆に募集人員を絞れば合格のチャンスは狭まりま
す。募集人員が多いと言っても東京慈恵会医科大
学は医学部の中でも最難関です。
出題される問題も、解きやすくはありません。
数学を除けば試験時間も短くなっています。
医学部受験生の皆さんは、出来る限りの力を出し
切ることに集中してください。