医学部入試

私立医学部受験では17大学が共通テスト利用入試
を行っています。現役生は共通テストを受験するこ
とが多く、共通テスト利用入試での合格を狙ってい
る受験生も多いでしょう。

しかし私は、私立医学部受験で共通テスト利用入試
での合格を本気で狙うことについて、消極的な考え
を持っています。

その理由は、2つあります。

まず共通テストでは、これまでのセンター試験と違
って、共通テスト独特の問題が出題されます。この
共通テスト独特の問題に慣れていないと、なかなか
思うような点数を取ることは難しくなります。

国公立医学部を第一志望として準備を進めているの
ならいいのですが、そうでない場合は私立医学部一
般選抜に向けた準備と共通テスト対策の両方をやる
ことで、力が分散してしまいます。

私立医学部一般選抜に向けた準備に集中した方が、
合格の可能性は高まると考えます。

私立医学部の共通テスト利用入試をお勧めしない
2つ目の理由は、「合格に必要な得点が非常に高い」
ことです

国公立大学医学部の共通テストボーダーライン得点
率は河合塾によると、琉球大学医学部が74%、大
分大学医学部、宮崎大学医学部が75%、信州大学
や岐阜大学、鹿児島大学など16の国公立医学部が
76%とされています。

これに対して、私立医学部共通テスト利用入試の
ボーダーライン得点率は、埼玉医科大学が73%と
最も低く、愛知医科大学76%、獨協医科大学と杏
林大学医学部が78%とされています。

この他の私立医学部はいずれも、80%を超えてい
ます。

合否に使用する科目が異なりますので単純に比較
することは出来ませんが、18の国公立医学部と
ボーダーラインが同じか低い私立医学部は、埼玉医
科大学と愛知医科大学の2校だけです。

国際医療福祉大学医学部と福岡大学医学部の共通
テスト利用入試のボーダーライン得点率は82%
とされています。これは東北大学医学部、名古屋
大学医学部、九州大学医学部といった旧帝国大学
医学部と同じボーダーライン得点率です。

私立医学部の共通テスト利用入試は募集人員が少
なく、さらに国公立医学部を第一志望とする受験
生が併願してきますので、ボーダーラインはかな
り高くなります。ここで、合格を勝ち取ることは
相当大変なことです。

「共通テスト対策に時間を取られる」「ボーダー
ライン得点率が非常に高い」この2つの理由から、
私立医学部受験で共通テスト利用入試での合格を
本気で考えることはお勧めしません。

私立医学部一般選抜に集中した方がいいと考えて
います。

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