私立医学部受験で、受験生の関心が最も高い「偏差値」ですが、駿台予備学校も河合塾
も川崎医科大学が、「最もボーダーライン偏差値が低い」としています。川崎医科大学
が、「私立医学部で最も易しい」となるのは、なぜでしょう。
これについては動画で解説していますので、詳しくはそちらを御覧下さい。
動画はこちら
川崎医科大学医学部の「偏差値」が低くなる理由として、主に2つの要因が考えられ
ます。その1つが「試験会場が川崎医科大学のキャンパスにしか設けられていない」
ことです。
川崎医科大学は、岡山県倉敷市にあります。試験会場はここ1か所ですから、ほとんど
の受験生は、川崎医科大学医学部の入試を受けるためには前日までに岡山県に入って
いなければなりません。また試験当日、試験が終われば次の医学部入試のために即座に
移動する必要があります。
一般選抜の終了時間は17時ですから東京なら、自宅ないし宿泊先に着くのは22時
くらいになってしまいます。これでは、翌日の医学部受験は難しくなってしまいます。
私立医学部受験は毎日続きますので移動の負担は大きく、医学部受験生としては
川崎医科大学医学部は受けにくくなり、その結果として「偏差値」も低くなります。
昨日、川崎医科大学付属高校の説明会があり、参加させていただきました。付属高校
の説明会でしたが、大学医学部の教授が川崎医科大学医学部について説明する部分も
ありました。この時、医学部の説明をされた教授は、入試担当の教授でこのブログの
読者の方でした。
そんなことから少し離れたところに席を作ってくださり、じっくりとお話しを聞かせ
ていただきました。
川崎医科大学医学部は、総合型選抜(AO入試)で「特定診療科枠」を実施して
いますが、その意図や試験のポイントなどをお聞きしたりしました。
川崎医科大学医学部総合型選抜の解説動画は、こちら
いろいろ、お聞かせいただいた中に「川崎医科大学は、なぜ東京や大阪に試験会場を
設けないのか」もお聞きすることが出来ました。「あえて」だそうです。
川崎医科大学は、医学部を卒業して医師国家試験を取得するまでの指導でいいとは
考えていない。「良医の育成」を掲げているのは、「医師となった後も良医となるべ
く指導を続ける」、ということだそうです。
その理念があるからこそ、その理念を理解し、「川崎医科大学で医学を学び、良医を
目指したい」と真剣に考えている受験生に受けてもらいたい、ということだそう
です。
東京や大阪、福岡に試験会場を設ければ志願者が増え、試験料収入も飛躍的に多く
なることは分かっていても、あえて川崎医科大学キャンパスにしか試験会場を設け
ない、という一本筋の通った考えでした。