医学部受験、歯学部受験に向け、塾や予備校に通う受験生は多いと思います。
多くの塾・予備校では集団授業のクラスは学力別に編成しています。学力別
クラス編成では、上位クラスと下位クラスでは学力の伸びに大きな差が出がち
です。
学力別にクラスを編成する際には、塾や予備校でクラス分けのためのテスト
を行い、その結果をもとにクラスを分けます。この時に、塾や予備校が経営
効率を上げるために、本来は2つのクラスにした方がいい生徒たちを、学力差
を無視して強引に1つのクラスにしてしまうこともあります。「生徒」より
「経営」を優先させる塾・予備校はオススメしかねます。
学力別にクラス編成をすると、最上位クラスは志望校合格に近い生徒が集まり
ます。駿台予備学校や河合塾などで旧帝国大学医学部や慶應義塾大学医学部に
合格していく生徒の多くは、こういった最上位クラスの生徒達です。
私立医学部受験で言えば慶應義塾大学医学部は別にしても、東京慈恵会医科
大学、日本医科大学、順天堂大学医学部、大阪医科薬科大学医学部といった
難関校に最上位クラスから合格者が出ていないと、やや心配ではありますが、
それでも最上位クラスは雰囲気が違います。
最上位クラスは医学部合格が見える生徒のクラスですから、基本事項はほぼ
固まっています。意欲的に授業を受け授業内容もしっかり吸収します。練習
問題もこなしていきます。最後まで、十分なやる気を持ち続けます。
下位クラスの生徒は、クラス分けの時点では基本事項が固まりきっていない
生徒になります。「勉強から逃げていた」「長い時間集中が続かない」など、
それまでの勉強のどこかに問題があったと考えられます。
集団授業のカリキュラムは決まっていますので、理解が不十分でも先に進ま
ざるを得ません。生徒達は板書を写すのが精一杯で、理解は深まっていない
ことが多くなります。
中には、「今年合格は無理」と思っている生徒もいて、雰囲気がいいとは
言えないことが多いでしょう。これでは、学力の伸びは期待出来ません。
最初は、下位クラスでも構いません。「1つでも上のクラスに行くんだ」
という気持ちを持って、毎日の授業に取り組んで下さい。上のクラスに
行くことが出来れば、ますますやる気が出ます。
受験は、「今の自分がどうか」ではなく、「試験当日の自分はどうなのか」
です。今はまだ、志望校合格が見えなくても一歩一歩、合格に近づいて
行ってください。