医学部入試

医学部進学には、附属高校からの内部推薦もあります

医学部受験は、大学受験全体の中でも突出した難関です。そんな医学部に

進学する道は多様化していますが、附属高校からの内部推薦で医学部に

進学する道もあります。

 

医学部への内部推薦は外部に積極的に公表するものではありませんので、

案外知られていないかもしれません。私が知っている範囲で、付属高校から

医学部への内部推薦を行っている大学は獨協医科大学、慶応義塾大学、東邦大学、

日本大学、東海大学、川崎医科大学、福岡大学の7大学です。

 

近畿大学も制度としては医学部への内部推薦がありますが、近畿大学付属高校から

近畿大学医学部へ推薦入試で進学した学生は、内部推薦ではなく公募推薦での進学

者だと思われます。近畿大学医学部は、附属高校だから優遇する、ということは

実際には無いようです。

 

附属高校からの医学部内部推薦制度は、大学によって人数や選抜方法が異なります。

慶應義塾大学医学部では一般選抜の定員は66名ですが、内部推薦の定員は44名

で、かなりの人数を付属高校から内部推薦で入学させています。

 

こう見ると、医学部への内部推薦は非常に魅力的に見えるかもしれません。しかし、

簡単に考えることは出来ません。高校で医学部への内部推薦を勝ち取ることは、簡単

ではありません。

 

日本大学の場合、医学部への内部推薦の定員は10名です。従って、全国26校の

日本大学付属高校の生徒が受ける基礎学力到達度試験で、全国順位10位以内が

目標となります。「26校の生徒の中で全国順位10位」は、けして簡単な話では

ありません。

 

慶応義塾大学医学部の場合も、医学部内部推薦を取れなかった生徒も非常に優秀だと

感じます。

 

やはり、医学部進学に楽な道は無いと思って下さい。

 

医学部には内部推薦で行きなさい、という内容の本が出ています。中学受験塾をやら

れている方が書いた本ですが、医学部受験そのものには詳しくないようです。「そんな

こと言っていいの?」と思う部分が少なからずあります。付属高校から医学部へ内部

推薦で進学するのも1つの道ではありますが、それを狙って中学受験ないし高校受験

をするのは、お勧めしません。付属高校に進学してはダメ、ということではありま

せん。付属高校に進学しても内部進学だけを考えるのではなく、一般選抜でも合格

出来る学力を身に付ける考えでいて欲しいと思います。