日本医科大学は、140年以上の伝統を誇る日本最古の私立医科大学です。
東京医科大学の源流は日本医科大学にあります。
卒業生には、東京女子医科大学を創立した吉岡弥生や野口英世もいます。
同じ学校法人(学校法人日本医科大学)の下には、獣医師を養成する日本獣医生命科学大学もあり、1年次の武蔵境キャンパスでは獣医師を目指す学生とともに学びます。
2年次からは、附属病院に隣接した千駄木キャンパスで学ぶことになります。
私立医学部受験生の人気も高く、駿台予備学校や河合塾の「私立医学部偏差値ランキング」では慶應義塾大学医学部、東京慈恵会医科大学医学部に次ぐ難易度とされています。
今年4月入学生の入試結果を見ると一般前期、一般後期、後期国語併用、千葉県・埼玉県・静岡県・東京都・新潟県の地域枠での正規合格者は225名でした。
そのうち男子は140名、女子は85名で正規合格者の段階では男子が女子を上回っていました。
これが実際の入学者125名の内訳を見ると男子は61名、女子は64名で、女子が男子を3名上回りました。
ただ、正規合格者には学校推薦型選抜の合格者は含まれず、入学者には日本医科大学の推薦入試からの入学者6名も含まれています。
日本医科大学医学部は以前から、女子差別や年齢差別が全く感じられない大学でしたが、データでも裏付けられたと思います。
私立医学部受験では、「女子差別」や「年齢差別」を気にする受験生もいるかもしれません。確かに、文部科学省から指摘を受けた大学もあります。
日本医科大学のように、具体的に男女の合格者数、入学者数を出してくれると女子の医学部志望者の皆さんも受けやすいと思います。
その日本医科大学医学部ですが、学校推薦型選抜(推薦入試)を実施していることを知っている受験生は極めて少ないと思います。
日本医科大学医学部のサイトにも出ていません。
日本医科大学医学部では、2年前から募集人員6名で学校推薦型選抜(推薦入試)を始めました。
日本医科大学医学部の推薦入試は指定校推薦入試で、指定校になっているのは早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田実業学校高等部の3校です。
いずれも、早稲田大学の付属・系属校です。
先日、日本医科大学の方と直接、お会いする機会があり推薦入試についてお聞きしました。
推薦入試での入学者は、「期待通りの入学者」とのことで、「学業成績もいいが、受験勉強中心でやってきた学生とは異なるバイタリティーを持った学生」とのことでした。
日本医科大学は親しい大学ということもあって、「早稲田大学の付属・系属校だけを指定校にするということは、早稲田大学との合併含みですか?」と、聞きにくいことをズバリ切り込みました。
「そういうことではない」、「ではなぜ、早稲田だけ?」「それは・・・」
詳しいことは控えますが、「受験エリートとは異なる、大学を活性化してくれるようなタイプの優秀な学生が欲しい」とのことのようです。
勝手な憶測ですが、医学部に60名以上も付属校推薦で入学させている慶応義塾大学医学部が頭にあったのかもしれません。
実は、日本医科大学と早稲田大学付属・系属校とは2020年に、「高大接続連携に関する協定」を結んでします。
今思うと、この時から指定校推薦入試の準備が始まったと思われます。
早稲田実業学校高等部の今年3月卒業生の進学先を見ると早稲田大学375名の他に、東京大学2名、京都大学1名となっています。
この他に東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、国際医療福祉大学が各1名になっていて、恐らく医学部進学者ではないかと思います。
そして、日本医科大学への進学者は3名ですが、指定校推薦で3名なのか、指定校推薦2名と一般受験1名なのかは分かりません。
早稲田実業以外の2校は、早稲田大学以外の進学者については公表していません。