医学部入試

医学部と歯学部を持つ国立大学の東京医科歯科大学が、芸術分野ではトップランナーの国立大学、東京芸術大学と包括連携協定を結びました。

二つの国立大学は8月10日に揃って包括連携協定締結を発表しました。

 

「複雑化する社会課題に対応するべく医療と芸術の分野融合によって、社会の諸課題を解決するとともに、個性豊かな地域社会の形成と発展に寄与することを目指す」、とのことです。

 

具体的には、新しい病院の環境作りや価値創造に向けた人材の育成。

医療と芸術の融合にイノベーション創出。

共生社会を作るアートコミュニケーションの推進。

 

といったことを掲げています。

 

東京医科歯科大学と東京芸術大学は、2021年に東京医科歯科大学病院で「小児科病棟にプロジェクションマッピングを作ろう」というプロジェクトを行っています。

この時、東京芸術大学大学院映像研究科と協力して「子供たちが一生の思い出として残るプロジェクションマッピングを作りました。

 

東京医科歯科大学としては、日々病気と闘う子供たちが入退院を繰り返す姿を見て、「医療者が出来ることは治療だけなのか?」と悩んでいたところに、「ホスピタルアートとの出会いがあった」、とのことです。

 

東京医科歯科大学は来年の秋に、東京工業大学との統合が予定されています。統合後は、東京科学大学となる予定ですが、東京科学大学となっても東京芸術大学との連携は続ける意向とのことです。

 

東京芸術大学は、東京医科歯科大学との連携について、「2030年以降、国民の3人に1人が65歳以上となる超高齢化社会が到来する中、一人ひとりが健康で文化的な寿命を全う出来るかが社会的な課題と考え、芸術の力だけでは解決できない社会課題に対し、東京医科歯科大学が持つ医療の知見の力を借りて解決を目指すとともに、一人ひとりの心の豊かさを求めたい」としています。

 

医療と芸術の融合は、これまでそう多くは聞くことはありませんでした。

これまでにない新しい試みと言っていいでしょう。

患者や家族にとって意義のある医療と芸術の融合の、今後の発展に期待します。

 

東京医科歯科大学の「医療人が出来ることは治療だけなのか?」という問いは、深いものを感じます。

少なくとも東京医科歯科大学医学部の面接では、「医療人が患者や患者の家族に対して出来ることは治療以外に何かあるか?」と問われると思います。

 

また、東京医科歯科大学医学部に限らず、様々な大学の医学部入試では小論文や面接で同様のことが問われそうです。