文部科学省が私立医学部21校の定員増を認可し、合計301名の入学定員(収容定員)増が正式に決まりました。
私立医学部の入学定員(収容定員)は本来、およそ100名程度の大学がほとんどですので計算上は、医学部が新たに3校増えたような感じです。
医学部受験での合格を目指している受験生の皆さんにとって、大変な朗報のようですが実は、そうでもありません。
この医学部の定員増は昨年も行われていますし、地方の医師不足解消のための臨時定員増は以前から行われています。
今回の文部科学省の認可は、「昨年に引き続き今年も入学定員増を認可する」といった感じのものです。
ですから今回、入学定員増が認可された21校のほとんどは、「昨年と同じ入学定員」となります。
昨年も同様な医学部の定員増が行われていましたので、「医学部の定員が増えた」と手放しで喜ぶようなものとは違います。
ただし、昨年に比べ医学部の入学定員(収容定員)が増えた大学が7校あります。
獨協医科大学医学部医学科の定員は、昨年の120名から6名増の126名となりました。
昭和大学医学部医学科の昨年の入学定員は129名でしたが、来年4月の入学定員は131名と2名増となりました。
帝京大学医学部医学科の昨年の入学定員は116名でしたが、今回2名の増加が認められ118名になりました。
昨年の入学定員が122名だった東京医科大学医学部医学科では、1名の定員増が認められ123名となりました。
東邦大学医学部医学科でも、1名の定員増が認められ入学定員は122名になりました。
神奈川県の2校も定員増が認められました。
北里大学医学部医学科の入学定員は昨年の125名から1名増え、126名になりました。
聖マリアンナ医科大学医学部医学科では2名の定員増が認められ、入学定員は117名になりました。
昨年の入学定員(収容定員)に比べ、定員増を文部科学省から認可された大学は獨協医科大学を除き、首都圏の大学医学部ばかりでした。
「都市部の大学に若者が集まることで地方の若者が減る」ことを是正することを目的に「都市部の大学の定員管理の厳格化」が文部科学省から打ち出され、実施されました。
これには異論も多く出され、定員管理の厳格化が緩和されることになりましたが、医学部の定員増も、この流れに沿ったもののようです。
昨年に比べ医学部医学科の入学定員が増えた大学が7校ありますが、増えた定員をどの医学部入試に回すのかは大学により様々です。
志望校で定員増があった場合は、医学部推薦入試、医学部AO入試、医学部一般選抜、医学部共通テスト利用入試など様々な医学部入試の、どの入試で募集人員が増えたのかを確認するといいでしょう。
文部科学省の「令和6年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更予定一覧」は、こちら