大学入学共通テストを所管する独立行政法人大学入試センターが、令和6年度の大学入学共通テストの確定志願者数を発表しました。
来年1月の共通テストの志願者は491,913人で、昨年に比べ20,668人減少しました。
これは、高校3年生全体の数が減少していることが大きな理由です。
志願者の内訳は,高等学校卒業見込み者(現役生)419,533人、高等学校卒業者(既卒者)
68,220人でした。この他に高卒認定等の志願者4,160人でした。
前年の志願者数と比較すると現役生は17,340人の減少、既卒生(浪人生)は3,422人の減少、高卒認定等は94人増でした。
現役生も浪人生も共通テストの志願者は減少しました。
志願者に占める現役生と浪人生の割合は、現役生が85.3%で、浪人生は13.9%、高卒認定等は0.8%でした。
志願者に占める現役生と浪人生の割合を5年前と比較すると、5年前の令和2年度の共通テストでは現役生の割合は81.1%で、浪人生の割合は18.0%でした。
来年の志願者では85.3%と13.9%ですから、この5年で浪人生の比率がかなり減少しています。
最近の受験生は、「行きたい大学より行ける大学」志向が強く、「浪人をしなくなった」、と言われますが、共通テストの志願者を見てもそれを感じます。
来年3月に卒業予定の高校3年生のうち、どのくらいの割合の高校3年生が共通テストに志願したか、を示す「現役志願率」は45.2%となりました。
共通テストは高校3年生で、大学受験をしない高校3年生を含めて半数近くが受験する試験となりました。
この現役志願率を5年前と比較すると、5年前の令和2年度の現役志願率は43.3%、令和6年度は45.2%で、現役志願率は毎年、確実に上昇を続けています。
男女別に志願者を見てみると男子の割合は54.8%、女子の割合は45.2%でした。
昨年は女子の割合は45.0%でしたが、女子の割合も着実に伸びています。
来年の令和6年度共通テストを利用する大学は国立大学82大学、公立大学95大学、そして私立大学は530大学で共通テストを利用します。
合計707大学が、何らかの形で共通テストを利用します。
私立医学部入試、私立歯学部入試でも多くの大学で共通テスト利用入試は実施されますが、
国公立は受験しないで、私立医学部や私立歯学部の受験だけを考えている受験生は、共通テスト利用入試を気にしなくていいと思います。
私立医学部、私立歯学部の共通テスト利用入試は募集人員が少なく、ボーダーラインが非常に高くなります。
共通テスト利用入試で合格するためには共通テスト対策は欠かせないのですが、私立専願の医学部受験生、歯学部受験生は共通テスト対策に費やす時間を私立医学部対策、私立歯学部対策に使った方が、間違いなく合格の可能性は高まると考えています。