医学部入試

私立医学部の1次試験が続く中、すでに1次試験を終えた医学部で1次試験合格者の発表が始まりました。

 

             目次

 

1. 愛知医科大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

2. 東北医科薬科大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

3. 獨協医科大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

4. 杏林大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

5. 医学部の小論文、医学部の面接

 

2024年度私立医学部入試の1次試験合格者の発表は1月21日(日)の国際医療福祉大学医学部から始まり、23日(火)には岩手医科大学医学部、川崎医科大学医学部の1次試験合格者の発表がありました。

 

川崎医科大学医学部の受験者数は、地元の山陽新聞によると1317名だったとのことで、昨年より65名増えています。

 

25日(木)には愛知医科大学医学部、そして昨日26日(金)には東北医科薬科大学医学部、獨協医科大学、杏林大学医学部の1次試験合格者が発表されました。

 

1愛知医科大学医学部の1次試験合格者の発表と2次試験対策

 

今年の愛知医科大学医学部1次試験合格者は448名で、昨年の1次試験合格者に比べ46名多い1次試験合格者でした。

昨年の1次試験合格者は402名、一昨年が409名でしたから今年の448名は、急に1次試験合格者が増えた印象があります。

 

大学が、1次試験合格者を増やす理由として「入学辞退者が多くなりそうだ」ということがあります。

ただ、昨年の繰り上げ合格者は89名で、むしろ前年より減っていますので「昨年、入学辞退者が多かったから」ということでは無さそうです。

 

他に考えられることとして「2次試験で、より多くの受験生を試したい」ということがあるのかもしれません。

 

(1)愛知医科大学の小論文

 

愛知医科大学医学部の2次試験では、小論文と面接が課されます。

まず、小論文から見て行きましょう。

 

愛知医科大学の小論文は、一筋縄では行かない小論文です。

それというのも、決まった形の出題ではなく毎年、趣向を凝らした問題が出題されるからです。

 

課題文が与えられて、それを読んで自分の考えを書く「課題文型」が毎年出題されるのであれば対策もしやすいのですが、そうは行きません。

 

例えば、昨年の1日目の小論文は男子大学生の悩み御相談に対して、「どう答えるか」を600字以内で書く問題でした。

2日目の小論文は「ジルとジャック」の二人の関係についての短い文章が与えられ、「二人の未来を論じる」というものでした。

 

愛知医科大学の小論文はパターン化された対策では、なかなかうまく行かないでしょう。

どのような問いに対しても、柔軟に自分の考えをまとめる力が必要です。

愛知医科大学としても、「自分の考えを深められ」そして「他者が分かるようにまとめる力」を持つ受験生を欲していると思います。

 

(2)愛知医科大学の面接

 

愛知医科大学の面接は面接官3名による個人面接で、25分程度の時間を掛けて丁寧に行われます。

質問に対する受験生の答えを、さらに深堀りする質問が続きます。

面接官は受験生のことを深く知ろうとしているだけで、追い詰めるようなことはありません。

「圧迫」と感じる受験生もいるようですが、面接官に「圧迫」の意図はありませんので、落ち着いて答えて下さい。

 

面接の中で、絵や写真などを見せられることもありますが、これも受験生を様々な角度から見たいということですから、難しく考えずに素直に自分の感じたことを述べて下さい。

 

2.東北医科薬科大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

 

東北医科薬科大学医学部入試の1次試験合格者が発表になりましたが、掲示等は無く1次試験合格者数は分かっていません。

 

(1)東北医科薬科大学医学部の小論文

 

東北医科薬科大学医学部の小論文は、受験生にテーマを与え、それについての考えを求めるものです。

 

例えば昨年の1日目は、医師や薬剤師の年齢別人数のグラフが与えられ、それを基に「医師の働き方改革」についての考えを述べるものでした。

2日目の小論文は、若い人のインターネット利用時間や内容についての表が与えられ、利用抑制策について述べるものでした。

 

東北医科薬科大学医学部の小論文では表やグラフが与えられることが多いのですが、何と言っても表やグラフを正確に読むことが欠かせません。

そこが出来ないと、小論文全体がおかしなものになってしまいます。

 

(2東北医科薬科大学医学部の面接

 

東北医科薬科大学医学部の面接は、面接官3名による個人面接になります。

質問内容は「医師志望理由」など医学部の面接としては、オーソドックスな質問が多くなります。

 

東北医科薬科大学医学部の面接で、特徴的な質問として「東北の医療に関する質問」があります。

 

そもそも東北医科薬科大学医学部は、東日本大震災で疲弊した東北地方の医療を支える人材を育成するために設置されました。

こういった経緯から、東北地方の医療についての質問がなされます。

 

専門的なことを言えなければならない、ということはありませんが、「全く分からない」では勝負になりません。

多少なりとも、東北の医療の現状について調べておいてください。

 

また、「自己ピーアール」もよく聞かれますので、準備をしておいてください。

 

なお、東北医科薬科大学医学部では2次試験の日程変更が可能です。

2日ある2次試験日ですが、当初予定から変更を希望する場合は、「2次試験日変更サイト」で、変更が出来ます。

 

3.獨協医科大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

 

獨協医科大学医学部でも1次試験合格者の発表があり、昨年より37名少ない465

名が1次試験に合格しました。

 

(1)獨協医科大学医学部の小論文

 

獨協医科大学医学部の小論文は文章を与えられ、それについて問1で200字要約、問2で自分の考えを述べるものです。

 

試験時間60分で、要約と自分の考えを書きますので時間的には楽ではないと思います。

要約で時間を使ってしまうと、問2の自分の考えを書く時間が無くなってしまいますので、時間配分に注意して下さい。

 

「要約は出る」と考えて、200字で要約する練習を少しでもやっておいてください。

出来れば、要約したものを国語の先生などに見てもらい。要約のコツを教えてもらうといいでしょう。

 

(2)獨協医科大学医学部の面接

 

獨協医科大学医学部の面接は面接官3名による個人面接で、面接官は柔らかい雰囲気で面接を行ってくれるので、受験生は落ち着いて答えられると思います。

 

質問内容は医学部の面接では定番と言える、「医学部志望理由」、「本学志望理由」は必ず聞かれると思っていてください。

併願校についても聞かれますが、余計なことを考えずに正直に言うのが一番です。

受験校の数が多い場合は、主だったところを言って「などです」と言ってください。

 

4.杏林大学医学部の1次試験合格発表と2次試験対策

 

2975名が志願した、杏林大学医学部の1次試験合格者は694名でした。

700名に迫る非常に多い1次試験合格者でした。

杏林大学医学部入試の1次試験合格者数は増え続けていましたが、今年も2名ではありますが、増えています。

 

ただ、今年の1次試験合格者数の増加は意図的なものではないと思います。

設定した1次突破ラインに同点の受験生が多くいたため、と考えていいでしょう。

 

(1)杏林大学医学部の小論文

 

杏林大学医学部の小論文では、非常に短いテーマが与えられ、それについて自分の考えを60分で書きます。

与えられるテーマは様々で、何が問われるか予想するのは簡単ではありません。

ですから、どのようなテーマが与えられようと、「自分はこう考える」ということを素直に書いて下さい。

 

昨年の1日目に与えられたターマは、「愚直であること」、2日目は「幸福である」でした。

一昨年は、「組織と個人」、「権利と義務」でした。

いずれも、特に医療と関連付けて書く必要はありません。

小論文の先生の中には、「医学部入試の小論文なのだから、医療と関連付けて書かなくてはならない」と指導する先生もいるようですが、「医学部関係者と会ったことのない先生」だと思います。

 

医療にとらわれることなく、自由に自分の考えを述べてください。

 

(2)

杏林大学医学部の面接

 

杏林大学医学部の面接は面接官2名による10分程度の個人面接になります。

 

杏林大学医学部の面接では、面接の前にアンカートの記入が求められ、このアンケートに書いたことについても聞かれますので、聞かれて困ることは書かないようにしてください。

 

アンケートでは、自己ピーアールや高校卒業後の経歴などの記入が求められ、

面接では「アンケートにこう書いてるけど、ここをもう少し詳しく説明して」などと聞かれます。

 

この他には、医学部の面接としてはよく聞かれる質問が多くなります。

 

5.医学部の小論文、医学部の面接

 

(1)医学部の小論文

 

医学部の小論文で何より大切なことは、「指定された字数を守り、マスを埋める」です。

 

「600字以内」と指定されているのに、600字を超えて欄外に書いたり、

200字くらいで終わってしまっては、「採点対象外」とされ、見てもくれない恐れがあります。

 

医学部の小論文では内容以前に、「とにかくマスを埋める」ことを心掛けて下さい。

 

そうすれば、「小論文で落とされた」ということには、ならないでしょう。

 

(2)医学部の面接

 

医学部の面接では、毎年同じようなことが聞かれます。

ですから、「その大学の面接では、何が聞かれる?」ということが分かれば準備は非常にしやすくなります。

 

自分なりに調べてみて下さい。

また、医学部入試に詳しい予備校に聞くのもいいでしょう。

 

医学部の面接では、どこの大学でもよく聞かれる「定番」と言われる質問があります。

少なくとも、これについては十分な準備をして下さい。

 

なお、オンライン個別指導メルオンでも、小論文や面接の個別指導を行います。