朝日新聞が「医学科入学者、女性初めて4割超に 入試不正問題を機に差別是正」というタイトルの記事を、本日デジタル版で発表しました。
この記事の元となった文部科学省のデータそのものは昨年発表のものですが、入試シーズン、国公立大学前期の合格発表、ということもあってか、本日記事がアップされました。
昨年の医学部医学科入学者は9198人で、そのうち男子は5502人、女子は3696人で医学部医学科入学者のうち女子の割合は40.2%となり、「4割の壁」を初めて超えました。
昨年の医学部医学科入学者を国立大学、公立大学、私立大学別に見ると国立大学医学部医学科入学者の男女の割合は男子63.1%、女子36.9%、公立大学の入学者は男子65.6%、女子
34.4%、そして私立大学医学部医学科の入学者は男子54.4%、女子45.6%となっています。
国公立大学医学部医学科は、まだ男女の差が大きいのですが私立大学医学部医学科では男子と女子の差が縮まっています。
女子比率の高まりは最近継続的に続いており、医学部医学科における女子比率の上昇は今後も緩やかに続くと思います。
朝日新聞のタイトルに「入試不正問題を機に差別是正」とあるように、2018年7月の東京医科大学不正入試発覚をきっかけとして、文部科学省が医学部入試について全大学に対し調査をしました。
その結果、東京医科大学、順天堂大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学の4校の医学部入試で「女子受験生に対して不利な扱いをしていた」と指摘しました。
これ以降、女子比率は上昇を続けています。
大学ジャーナリストの石渡嶺司さんのコメントに医学部の女子比率の推移が示されていましたので、ご紹介します。
2018年の女子比率と2023年の女子比率ですが、東京医科大学は19.2%から41.0%、
順天堂大学医学部が31.9%から52.9%、北里大学医学部50.4%から44.8%、聖マリアンナ医科大学39.1%から55.7%、となっています。
このうち、北里大学医学部は「繰り上げ合格の際に男子を優先していた」という指摘を受けていましたが、もともと女子比率の高い医学部でした。
医学部入試における「女子差別」、「多浪差別」、「年齢差別」については、「女子だから」、
「多浪だから」、「年齢が高いから」ということで一律に不利な扱いをすることはなくなりました。
毎年、文部科学省が引き続き調査をしています。
とは言え、「一律にはしない」ということですから、面接が非常に重要になります。
特に、「多浪」、「高年齢」については面接官に「多浪ではあるが、問題ない」、「年齢は高いが問題ない」と評価してもらえるよう準備が必要です。
「この多浪の受験生は、入学後もモタモタしそうだ」、「年齢の高いこの受験生は入学後、先生そんなの社会的に通じません、と言ってきそう」と面接官に思われないようにしてください。