今年2月に行われた早稲田大学創造理工学部の入試時間中に、受験生がスマートグラスで試験問題を撮影し、SNSで流出させていたことが分かりました。
この受験生は、「流出させた問題の解答を依頼していた」、とのことです。
警視庁は、この受験生を偽計業務妨害容疑で書類送検する方針とのことです。
医学部入試や歯学部入試の話ではありませんが、精神的に追い込まれた受験生は、普通なら考えられないことまで犯してしまうこともあることが分かります。
この受験生は都内の私立高校の現役生で、「共通テストの点数が悪く志望した国立大学に落ちた。不安で不正を思い立った」と話しているようです。
恐らく、共通テストの点数が思ったように取れず志望した国立大学前期入試で、「足切り」にあってしまったのだと思います。
普通に考えれば、「SNSで問題を流せば間違いなく発覚する」と考えるのでしょうが、普通の精神状態ではなかったのでしょう。
実際に、SNSを見た全く関係の無い人が早稲田大学に知らせた、とのことです。
一昨年の共通テストでは、医学部を志望する高校2年生が「自分は志望する大学の医学部には合格出来ない」と考えて共通テスト受験者に危害を加えた事件がありました。
2年生でありながら、精神的に追い込まれていたのだと思います。
医学部入試にせよ、歯学部入試にせよ、大学入試に臨む受験生は「志望校に合格することが全て」になってしまいがちです。
しかし、医学部受験であれば「医師になること」、歯学部受験なら「歯科医師になること」が目的、目標であって、大学入試は「その過程」のはずです。
「志望校に合格出来なければ人生が終わってしまう」、ような気持になる受験生もいるでしょう。
家族が入試直前の受験生の様子を見て「思い詰めている」と感じたら、気持ちを落ち着けることを考えていただければ、と思います。
親から見て、受験勉強に向かう態度に物足りなさを感じることもあると思いますが、プレッシャーを与え続けるだけでなく硬軟織り交ぜて接するといいと思います。