5月も後半になり、これから受験生の皆さんは模試を受ける機会が多くなると思います。
医学部受験、歯学部受験に向けていくつかの模試を受けると思いますが駿台、河合塾、ベネッセがそれぞれ主催する模試の違いを分かっていますか?
3つの模試の違いが分かっていないと、受験勉強の妨げになる恐れがあります。
3つの模試の最も大きな違いは、「偏差値の出方が違う」です。
現役生が高校で受けることの多いベネッセ進研模試で偏差値60の受験生が、河合塾の全統模試を受けると「偏差値が55」となっても不思議ではありません。
さらに、駿台全国模試を受けたところ「偏差値は50だった」、となっても不思議ではありません。
模試を受けて、偏差値が60,55,50となっていくと受験生にしてみると、「成績がドンドン下がっていく」と感じるでしょう。
すっかり自信を無くし、落ち着いて勉強することも難しくなりそうです。
しかし、これは「成績が下がった」という事ではありません。
模試の偏差値は、「その模試を受けた人の中での自分の位置」を示すものです。
ですから、「その模試を受けた人」が変われば、当然自分の位置も変わります。
東大理3や京都大学医学部医学科の合格者数トップを競うような超のつく進学校で真ん中くらいの成績の受験生は、その高校の中では目立たない生徒でしょう。
しかし、全国の受験生の中ではトップ層に位置するでしょう。
模試も同じで、駿台全国模試を受ける受験生は学力上位の受験生が多くなります。
ベネッセ進研模試の受験者のほとんどは現役生で、浪人生は極端に少なくなります。
模試によって「その模試を受ける人」が大きく変わり、その結果「偏差値も変わる」ことになります。
医学部の偏差値ランキング、歯学部の偏差値ランキングも、模試によってかなりの違いがあります。
医学部受験、歯学部受験に向けて、「この模試は受けても意味が無い」ということはありません。
どの模試を受けても構わないのですが、「模試によって偏差値の出方は異なる」ことを理解して模試を受けてください。
なお、私立医学部入試、私立歯学部入試で共通テスト利用入試に出願することを考えていない、共通テストを受けない受験生は「共通テスト模試」は、受けるにしても「マーク模試の練習」と考えてください。