１，ベネッセの「医学部偏差値ランキング」は全て偏差値７０以上

ベネッセから、進研模試受験者の医学部入試合否データを基にした「医学部の偏差値ランキング」が発表されました。

河合塾の「医学部偏差値ランキング」とベネッセ進研模試の「医学部偏差値ランキング」を比べてみると同じ点も多いのですが、異なる点も少なくありません。

河合塾の「私立医学部偏差値ランキング」は偏差値72.5から60.0までが並んでいて、偏差値７０を超える医学部は４校のみです。

一方でベネッセ進研模試の「私立医学部の偏差値ランキング」の偏差値は、７８から７１までで全ての私立医学部の偏差値が７０を超えています。

これは、河合塾全統模試とベネッセ進研模試の受験者層の違いによります。

進研模試の受験者のほとんどは現役生ですが、河合塾全統模試は現役生だけでなく浪人生も受験します。

全統模試は学力上位の現役生も多く受験しますので、偏差値にも違いが出てきます。

ベネッセの偏差値は合格可能性６０％、河合塾は合格可能性５０％の偏差値ですので、このことも影響しています。

ベネッセ進研模試の「医学部の偏差値ランキング」と河合塾の「医学部偏差値ランキング」には一部で違いがあります。

２つの「医学部の偏差値ランキング」の、「どちらが正しいか」ということが気になると思いますが、それについては駿台予備学校の「医学部の偏差値ランキング」も含めて見るといいと思います。

駿台予備学校の「医学部の偏差値ランキング」はまだ公表されていませんが、公表され次第、このブログでお伝えいたします。

２，医学部の偏差値の幅

ベネッセ進研模試の「医学部偏差値ランキング」で最も多くの医学部のボーダーラインとされたのは偏差値７３で、私立医学部１８校が同じ偏差値で並んでいます。

河合塾の「医学部偏差値ランキング」で最も多くの私立医学部が並んだのは、偏差値62.5の１０校でした。

偏差値１刻みのベネッセの「医学部偏差値ランキング」では１８校が同じ偏差値とされていますが、偏差値2.5刻みの河合塾の「医学部偏差値ランキング」では同じ偏差値とされた最大は、１０校でした。

ベネッセの「医学部偏差値ランキング」は最も高い偏差値と最も低い偏差値では、偏差値７の差がありましたが、河合塾では偏差値の差は12.5あり、河合塾の方が私立医学部偏差値の幅が広くなっています。

ベネッセに比べ河合塾の方が、医学部各大学の偏差値の差は大きくなっています。

ベネッセも河合塾も、「私立医学部で最も難しい大学は慶應義塾大学医学部」としています。

また、両者とも「私立医学部で最も易しい大学は川崎医科大学」としています。

「私立医学部で一番難しい大学」と「私立医学部で一番易しい大学」については、ベネッセも河合塾も同じ見解ですのでここは、そう考えていいでしょう。

３，私立医学部、どちらの大学が難しいのか？

「東京慈恵会医科大学と自治医科大学のどちらが難しいのか？」ですが、ベネッセは自治医科大学、河合塾は東京慈恵会医科大学、としています。

自治医科大学と日本医科大学、順天堂大学医学部の難易度でもベネッセと河合塾では見解が異なっています。

同じ愛知県にある「愛知医科大学と藤田医科大学のどちらの方が難しいか？」については、ベネッセは「愛知医科大学の方が難しい」としていますが河合塾は「藤田医科大学の方が難しい」としていて、ここでも違いがあります。

関西の大阪医科薬科大学医学部と関西医科大学、近畿大学医学部の３校の医学部の難易度を見てみると、ベネッセは「３校とも偏差値は７４で、難易度は同じ」としていますが、河合塾は「関西医科大学の偏差値は70.0、大阪医科薬科大学医学部の偏差値は67.5、近畿大学医学部の偏差値は65.0で、難易度は関西医科、大阪医科薬科、近畿の順番」としています。

首都圏の東京医科大学と杏林大学医学部、北里大学医学部の難易度についてベネッセは「３校の偏差値は７３で同じ、難易度は３校とも同じ」としていますが、河合塾は「東京医科大学の偏差値は67.5、杏林大学医学部の偏差値は65.0。北里大学医学部の偏差値は62.5なので、難易度は東京医科大学、杏林大学医学部、北里大学医学部の順」としています。

ベネッセ進研模試と河合塾とで医学部の偏差値、医学部の難易度について同じ見解の部分も多いのですが、見解の相違も見受けられます。

受験生の皆さんが「医学部の偏差値ランキング」を見るときは、どれか一つだけを見るのではなく、複数の「医学部の偏差値ランキング」を見るようにしてください。

４，医学部の偏差値ランキング　２０２５年度入試