東北医科薬科大学医学部が今年から、募集人員20名で総合型選抜(東北地域定着枠)を新たに実施します。
総合型選抜を新規に実施するわけを東北医科薬科大学医学部の入試担当者からお聞きしました。
東北医科薬科大学医学部は、これまで一般選抜を「修学試験枠A方式」、「修学資金枠B方式」、と「一般枠」の3つの枠を分けて行ってきました。
薬学部単科大学だった東北薬科大学に医学部を設置することになったのは、東日本大震災で大きなダメージを受けた東北地方の医療を再構築するため、でした。
こういった経緯から募集人員100名のうち55名は青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県の東北地方の各県から修学資金を必ず受け取る「修学資金枠」としていました。
東北地方のいずれかの県から修学資金を受け取った学生は、卒業後に各県指定の勤務地で医師として働くことになり、東北各県の医師確保の一つの手段となっていました。
ところが今年になって宮城県から「20名の修学資金貸与は行わない」と東北医科薬科大学に連絡があったそうです。
東北医科薬科大学医学部としては寝耳に水の話で、修学資金枠A方式の宮城県分の20名の募集を、「中止せざるを得なくなった」とのことで急遽、20名の募集人員で総合型選抜を実施することにしたそうです。
この総合型選抜で合格すると、宮城県を除く東北5県のいずれかの県の修学資金制度に応募することが義務付けられています。
あまりに急な話だったことから、具体的な試験内容は固まっていない、とのことですが、「サンプル問題」を見ると、普通の学力試験だと思われます。
試験科目が「英語小論文」、「数学小論文」、「理科小論文」となっていますが英語、数学、理科と考えていいでしょう。
「小論文」と付けたのは、「総合型選抜では学力試験を行ってはいけない」と考えていたのかもしれません。
ちなみに、宮城県が修学資金制度を中止したのは「財政的理由」からだそうです。