高校生の皆さんは、いよいよ夏休みを迎えます。
大学受験の世界では、「夏を制する者は、受験を制する」と言われます。
日頃なかなか出来ない「自分の勉強」をきっちりやり切れば、医学部や歯学部の志望校合格は大きく近づきます。
高校生の皆さんが、この夏にやるべきことは「これまでやってきた基本的、標準的なことを本当に自分のものとすること」です。
夏休みを利用してこれが出来れば、夏休み明け以降に「入試レベル」を着々とやって行けます。
ところが、夏休みが終わっても、基本的なことが曖昧なままだと「入試レベル」の問題に取り組んだとしても、なかなか消化できません。
10月には医学部も歯学部も、総合型選抜(AO入試)が始まります。
11月には同じように医学部も歯学部も、学校視線型選抜(推薦入試)が始まります。
「AO入試、推薦入試に間に合わせるためには、悠長なことは言ってられない」と考える受験生もいると思いますが学校推薦型選抜や総合型選抜は、主に現役生が受ける医学部入試、歯学部入試です。
医学部推薦入試・AO入試も歯学部推薦入試・AO入試も、多くの受験生が学ぶ公立高校に在籍する受験生の習熟度を考えて試験問題は作られます。
当然、年明けに行われる一般選抜の問題に比べれば取り組みやすい出題になります。
医学部入試でも歯学部入試でも、学校推薦型選抜や総合型選抜で合格するためには、難し目の問題を解くことではなく基本的・標準的な問題を確実に解くことが重要です。
夏休みは落ち着いて、これまでやってきたことを本当に自分のものにするための時間にして下さい。
医学部受験や歯学部受験に立ち向かう受験生の中には、「夏は頑張る!」と勢い込んで、夏期講習や合宿などをたくさん申し込む人がいます。
また親御さんも、夏期講習や合宿でビッシリ埋めれば安心するようです。
しかし、それでは「本当にやらなければならないこと」をやっている時間が無くなってしまいます。
高校や塾・予備校の夏のカリキュラムや教材は、受験生全体を考えてのカリキュラムや教材であって、自分のことを考えて作られたものではありません。
自分の受験には不要なものも入っているかもしれませんし、自分のレベルに合っているかも不安が残ります。
個別指導なら自分のために考えられたカリキュラムになりますが、志望する学部、大学に向けて的確かは確認してください。
医学部や歯学部の学校推薦型選抜や総合型選抜は、大学ごとに特徴的な試験内容となります。
東邦大学医学部の総合型選抜では英語も数学も理科も出題されません。
金沢医科大学AO入試の数学は「数学1・A」のみの出題です。
東京医科大学の学校推薦型選抜では、合否を分ける独特の「英語小論文」が出題されます。
受験生は見たことのない問題だと思います。
東京歯科大学推薦入試の数学は一般選抜とは全く異なる出題傾向となります。
日本歯科大学生命歯学部推薦入試の学力試験は「英語小テスト」だけですが、「小テスト」とは、名ばかりのテストです。
昭和大学歯学部の総合型選抜では、学力試験はありません。
医学部の学校推薦型選抜や総合型選抜、歯学部の学校推薦型選抜や総合型選抜を受ける予定であれば、「志望校の推薦・AOで出る問題」を意識して夏の学習を進めて下さい。
もちろん、一般選抜に向けた準備も必要ですがその前に推薦入試、AO入試がありますので、夏は「志望校の推薦・AOで出る問題」を意識して勉強を進めて下さい。
一般選抜で出るとしても、推薦・AOで出ない問題は、夏休みにはそれほど力を入れなくてもいいでしょう。
まず、基本的、標準的なことを固めることを意識してください。
このことは「推薦・AO対策」にもつながりますし、秋以降の一般選抜に向けた仕上げにもつながります。
夏休み期間は、「今の自分に本当に必要な勉強」を進めることを考えてください。
宣伝になってしまいますが、メルオンの私立医学部・私立歯学部の大学別推薦入試対策講座、AO入試対策講座は、合格に必要なことに徹底的に絞った講座です。
大学ごとのガイダンス動画は公開していますので、よろしければご覧ください。
お役に立てると思います。
自分の勉強をやるのはいいのですが、「どの教材をどう使うのか」もきちんと考えてください。
数学で青チャートを使う受験生も多いのですが、多くの場合「青チャートは合わない、必要ない」ことになります。
少なくとも私立歯学部志望者には青チャートは、ふさわしくありません。
こういった点については、高校や塾、予備校の先生と「東京歯科大学の推薦入試を受けようと思っているけど、自分にはどの教材がいいですか?」などと、よく相談するといいでしょう。
そして、教材の使いかたも聞いてください。
医学部受験や歯学部受験に詳しい先生ばかりではないと思いますが、過去問を見せたりして的確なアドバイスをいただいてください。
この夏休みは、「志望校の入試で出る問題を解けるようにすること」に焦点を絞って勉強を進めて下さい。
「出ない問題」を、なんとなくやっている時間はありません。