猛暑に加え、地震や台風の心配もある中、医学部受験や歯学部受験に向けて多くの受験生の皆さんが頑張っていると思います。
毎年、多くの受験生を見ていますが、本人も親も「医学部合格は大丈夫だろう」、「歯学部合格は問題ない」と考えているのにも関わらず、結果を出すことが出来ずに愕然とするケースが見られます。
これは、どういうことなのでしょうか?
受験生本人も親も医学部受験、歯学部受験について「大丈夫」と考える根拠はなんでしょうか?
多くの場合は、模試の結果だと思います。
河合塾全統模試や駿台予備学校の駿台模試、ベネッセの進研模試の結果を見て、「この成績なら大丈夫」と考えるのだと思います。
「偏差値」や「合格可能性判定」、「志望校での順位」などを見て、「医学部は大丈夫だろう」、「歯学部は間違いない」と考えるのだと思います。
このように考えられるのは、「成績のいい受験生」でしょう。
高校での成績、塾や予備校での成績も含めて「成績がいい」から「大丈夫だろう」と考えてしまうのだと思いますが、そこには大きな落とし穴があります。
それは、「模試、高校や塾・予備校の試験と医学部入試、歯学部入試は別物」だからです。
模試も高校や塾・予備校での試験も、医学部入試や歯学部入試を想定して問題を作っているわけではありません。
例えば、医学部入試の数学では割とよく出題される「データの分析」は、他学部で出題されることは少ないので、模試で扱われることはほとんどありません。
「生物っぽい化学」も医学部入試では当たり前ですが、模試での出題は期待出来ません。
私立歯学部入試の問題そのものは、基本的・標準的な問題がほとんどで、「難しい問題」の出題は、実際の歯学部入試では「無い」と考えていいでしょう。
しかし、模試は国立大学を志望する受験生も受けますので、「難しい問題」も出題されます。
私立歯学部志望者にとって、そういった問題は出来ればいいですが出来なくても実際の歯学部入試の合否には関係ありません。
医学部入試も歯学部入試も、「入試当日、そこで出題された問題」で合格点が取れればいいのです。
満点ではなく、合格点です。
つまり、「志望校の入試で、出題された問題全てを解ける必要はない」ということでもあります。
医学部受験でも歯学部受験でも合否は、「そこで出題された問題」で判断されます。
模試や高校、塾・予備校の試験問題とは異なっていますので、模試や高校で「成績がいい」ことで安心しないようにしてください。
「成績がいい」ことは、けして悪いことではありません。
むしろ、褒められるべきことです。
しかし、医学部入試や歯学部入試で合格するために何が必要か、について理解して勉強を進めて下さい。
「成績がいい」ことで安心することの無いようにしてください。