医学部入試でも歯学部入試でも、出願しないことには受験することは出来ません。
出願に際して提出する出願書類の中には「志望理由書」があります。
志望理由書は無くても「志望理由」の記載はあります。
医学部受験でも歯学部受験でも、志望理由の準備は必ず必要となります。
医学部入試、歯学部入試で志望理由を準備する際には、志望理由には2つの志望理由があることをまず、理解することが欠かせません。
1つ目の志望理由は「医学部(歯学部)志望理由」です。
「なぜ、医学部(歯学部)進学を希望するのか?」を問われます。
ここでは、「将来、医師(歯科医師)になって、こういうことをしたい」ということも準備する必要があります。
「医師(歯科医師)でなければならない理由」を求められているわけですから「医師(歯科医師)になって、人の役に立ちたい」では全く不十分です。
人の役に立つ職業は、医師や歯科医師だけではありません。
「全ての職業は、人の役に立っている」とも言えるでしょう。
「将来、こういうことをしたい。それをするためには医師(歯科医師)でなければならないから医学部(歯学部)を志望する」と考えてください。
2つ目の志望理由は「その大学を志望する理由」です。
「数ある医学部(歯学部)の中で、この大学がいい」ということを伝える必要があります。
志望理由の指導をしていると、志望する大学のパンフレットやホームページだけしか見ていないな、他大学のことは見ていないな、と感じることが少なくありません。
「ここがいいから、この大学」とあっても、私からすれば「それって、他の大学でもやっているよ。そっちの大学じゃダメ?」となります。
医学部受験、歯学部受験における「志望理由」は、それほど簡単ではありません。
時間を掛ける必要はありませんが、安易に考えることも出来ません。
志望理由を準備するのは簡単ではありませんから、小論文の先生に指導してもらうことも少なくないでしょう。
ただ、小論文の先生に指導していただいた志望理由は不十分なことが多いので注意してください。
小論文の先生に指導していただいた「志望理由」は、上手くまとまっていると思います。
しかし、私は「物足りなさ」を感じることが多くあります。
では、上手くまとまった志望理由のどこが「物足りない」のでしょうか?
それは、「医学部(歯学部)だから、こうだろう。こう書けばいいだろう」という想像で書いている点です。
この志望理由を読むのは医学部教員であり、歯学部教員です。
この人たちと何度も話をして、「医学部教員はこんなことを考えている」、「歯学部の先生は受験生に、これを求めている」ということを理解して、志望理由の指導をしてもらいたいところですが、「医学部(歯学部)だからこうだろう」という想像での指導になっていると感じます。
小論文の先生に志望理由の指導をお願いする時は出来れば、医学部教員や歯学部教員の本音を分かっている先生にお願いするといいと思います。
必要なのは「きれいな志望理由」ではなく「医学部教員(歯学部教員)の心に刺さる志望理由」です。