医学部には地域枠がありますが、医学部受験を考えている受験生はぜひ地域枠の受験も考えてもらいたいと思います。
その理由は後述しますが、群馬県が新たに東京医科大学と杏林大学医学部、帝京大学医学部で群馬県地域枠を実施することを発表しました。
群馬県地域枠は群馬大学医学部でも実施されていて、群馬大学医学部の場合は出身地制限がありますが東京医科大学、杏林大学医学部、帝京大学医学部での群馬県地域枠は、出身地制限がなく全国の医学部志望者が受験可能となります。
群馬県は厚生労働省が発表する「医師偏在指標」では全国37位に位置付けられ、「医師少数県」とされています。
これに対応するため群馬県は、医学部の地域枠を合計27名に増員することにしました。
新たに群馬県地域枠を実施する私立医学部3校は、全国の受験生が出願することが出来ますので、医学部受験を考えている受験生は、要注目です。
新しい医学部入試は気が付かない受験生も多く、この群馬県地域枠も倍率は低くなると思われます。
医学部受験は「情報戦」の面もあります。
群馬県地域枠に限らず、医学部受験を考えるなら「地域枠」は、ぜひ考えてみて欲しいと思います。
それは、「地域枠は一般枠に比べ易しい」からです。
昭和大学医学部は、1次試験の合格最低点を公表していますので見てみましょう。
昨年の昭和大学医学部一般選抜での1次試験合格最低点は、一般枠は240点ですが、新潟県地域枠は207点、静岡県地域枠は189点、茨城県地域枠は202点とどの地域枠も一般枠に比べ30点以上低くなっています。
昭和大学医学部一般選抜は400点満点の医学部入試ですから、30点の差は非常に大きいと言えます。
これは昨年だけの話ではありません。
一昨年の1次試験合格最低点は一般枠が231点、新潟県地域枠が180点、静岡県地域枠が189点、茨城県地域枠が202点で、やはり一般枠に比べ地域枠の1次試験合格最低点は29点から51点も低くなっています。
更にその前年、3年前の医学部一般選抜でも一般枠の1次試験合格最低点は230点でしたが、新潟県地域枠は190点、静岡県地域枠は191点、茨城県地域枠も191点と、この年も一般枠に比べ地域枠の方が合格最低点は40点ほど低くなっています。
新潟県地域枠と静岡県地域枠は、出身地制限のない医学部地域枠で、全国の医学部志望者が受けることが出来ます。
この他に帝京大学医学部も一般枠と福島県地域枠、千葉県地域枠、静岡県地域枠、茨城県地域枠、新潟県地域枠の合格最低点を公表しています。
帝京大学医学部が公表している合格最低点は、繰り上げ合格を含めた2次試験の合格最低点ですが、こちらも一般枠に比べどの地域枠も最低点は低くなっています。
医学部の地域枠で入学すると卒業後の9年程度は、その自治体が指定する医療機関での勤務が義務付けられますが、「それは構わない」ということであれば、医学部入試の地域枠の受験を考えてみるといいと思います。