医学部入試

医学部受験と歯学部受験では、評定平均を上げる努力は必要ありません

目次
1, 医学部受験、歯学部受験では評定平均を上げる必要がない理由
2, 医学部や歯学部の推薦入試での評定平均の扱い
3, 現役生と浪人生の評定平均
4, 医学部や歯学部が調査書で見るたった1つのこと

1,医学部受験、歯学部受験では評定平均を上げる必要がない理由

医学部や歯学部を目指す受験生や親御さんは高校の成績である評定平均を気にされるかもしれません。
そして、「評定平均を上げるための努力」をするかもしれません。
しかし、医学部受験や歯学部受験では、評定平均は合否に影響しません。
「そんなことは無いだろう」と思われるかもしれませんが医学部受験、歯学部受験では、なぜ評定平均は合否に影響しないのか、をお伝え致します。

評定平均は、高校3年間の各科目の平均で、10段階評価の高校であっても、5段階評価に直しての平均が使われます。
この成績の付け方ですが、以前は「上位5%が、5」というようなルールがあったのですが現在は各高校に委ねられています。
「甘い高校、辛い高校」があるわけです。

また、高校の生徒層による違いも出てきます。

東大や京大、早稲田、慶応に多くの生徒が進学する高校では、いい成績を取ることは簡単ではないでしょう。
高校によっては、多くの生徒が進学を考えていない高校もあるでしょう。
大学付属高校で、大学受験に向けた勉強をしない高校もあります。
例えば「評定平均4.0」と言っても在籍高校によって、意味は変わってきます。

大学が全国に4791校ある高校全ての状況を分かっているわけではありませんので、評定平均(高校の成績)は、医学部や歯学部の入学者選抜には使えないのが現実です。
2,医学部や歯学部の推薦入試での評定平均の扱い

医学部の推薦入試(学校推薦型選抜)や歯学部の推薦入試(学校推薦型選抜)では、
出願資格に「評定平均4.0以上」などと、評定平均での制限を設けている大学もあります。
「やっぱり、評定平均は合否に関係あるじゃないか。評定平均は高ければ高いほどいいんだ」と考える方もいるかもしれません。

大学はなぜ、評定平均での制限を設けているのでしょうか?

それは、「評定平均が4.0以上あれば、とりあえず高校生活は真面目に送っただろう」と考えられるからです。
医学部入試も歯学部入試も、「入学者を選ぶための試験」です。
推薦入試では、「高校生活は真面目に送った」受験生に絞っての試験をやりたいのです。

出願資格の評定平均は、あくまで受験資格でしかありません。
合否は自分の大学で行う試験で判定します。

3,現役生と浪人生の評定平均

ここで、注意が必要なのは「現役生の評定平均は高校1学期までの成績が使われる」ということです。
総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)は「年内入試」とも言われ、一般的に10月、11月に行われます。
高校3年が終わっていませんので、1学期までの成績が使われます。
一般選抜も12月から出願が始まりますので、やはり3年1学期までの成績が使われます。

現役生のうちは、「2学期以降、すごく頑張って高校の成績もよくなった」は、実は医学部入試、歯学部入試には反映されません。

浪人生の場合を考えてみましょう。

東海大学医学部では現役生限定のAO入試「希望の星」入試を行っています。
これは、「現役生のうちは医学部合格レベルの学力ではないが、浪人すると劇的に伸びる受験生がいるので、そういう現役生を取っておきたい」ということで始められた医学部入試です。

評定平均は高校時代の成績で、浪人になってからの伸びは全く反映されていません。
やはり、合否判定には使えません。

大学は、「自分のところで実施する試験しか信じていない」のです。

ですから、推薦入試やAO入試の受験に評定平均が足りなければ、受験資格を満たすために評定平均を上げる努力は必要ですが、この場合を除けば医学部受験、歯学部受験で評定平均を上げる努力は必要ありません。

調査書に高校の先生は生徒が不利になるようなことは書きません。
大学も分かっているので、所見は見ません。
成績も高校による違いがありますので、重視はしません。
ただ、成績が悪いと面接で「高校の成績悪いけど、どうして?」と聞かれることはありますが、「理由と反省、入学後の意欲」を話せば問題ありません。

4,医学部や歯学部が調査書で見るたった1つのこと

ただ、医学部でも歯学部でも調査書で1か所だけ、真剣に見るところがあります。

それは「欠席日数」です。
欠席日数は、高校の生徒の質や先生の主観と関係ありません。
欠席日数が多いと「この受験生は肉体的、精神的に何か問題があるんじゃないか。入学させても、同じように欠席が多くなるんじゃないか」と考えてしまいます。
欠席日数が多いと必ず面接で聞かれます。
この時、面接官が「この受験生は大丈夫」と考えられる答えが準備出来れば問題ありませんが、欠席日数だけは気を付けてください。

医学部受験、歯学部受験で合格に向けて評定平均を上げる必要はありません。
その時間があったら、受験科目の勉強に充ててください。

なお、メルオンのサイトには「医学部受験、歯学部受験で評定平均を気にしなくていい理由」という、更に詳しい記事を掲載しています。
そちらもぜひご覧ください。こちら