はじめに
東海大学医学部医学科が実施する総合型選抜「希望の星育成」は、医師を目指す高校生にとって、一般入試とは異なる現役生だけに与えられた大きなチャンスです。
この記事では、2026年度入試の最新情報をもとに、「希望の星育成」入試の特徴や日程、試験内容、受験対策のポイントまでをわかりやすく解説します。
東海大学のホームページでは、まだ発表されていませんが東海大学医学部の関係者と直接お会いして得た情報をいち早くお伝え致します。
目次
- 「希望の星育成」とは?
- 2026年度の変更点と日程まとめ
- 試験内容をステップごとに解説
- 合格のカギはここにある!評価のポイント
- 昨年の倍率や合格者数から読み解く実情
- 対策法:書類・小論文・オブザベーション・面接
- よくある質問Q&A
- まとめ
- 「希望の星育成」とは?
「希望の星育成」は、東海大学医学部医学科が行う総合型選抜(旧AO入試)で、「将来、医療や医療の発展に貢献したい」という強い意志を持つ高校生を対象にしています。
専願制ではないため複数の大学との併願が可能で、意欲や「東海大学医学部入学後の伸び」が重視される医学部入試です。
「現状では、一般選抜で合格するほどの学力は無いものの、医学部入学後の6年間では優秀な学生となる受験生(高校3年生)をこの試験で取りたい」と東海大学医学部は考えています。
ですからあえて専願制とせず、合格して他大学医学部に合格したような場合は入学辞退出来る併願可の医学部入試とし、東海大学医学部を第一志望としない受験生にも門戸を開いています。
対象者
- 高校を2026年3月に卒業予定の者(現役生)
- 上記に準ずる者
- 2026年度の大学入学共通テストにおいて、指定された教科・科目を受験する者
- 2026年度の変更点と日程まとめ
【主な変更点】
- 今年度から1次試験で書類審査が導入されました。
- 2次・3次試験の内容に変更はありません。
【スケジュール】
試験段階 | 内容 | 日程 |
出願期間 | 書類提出 | 2026年9月1日〜9月16日(必着) |
1次試験 | 書類審査(志望理由書・推薦書など) | 合格発表 10月6日 |
2次試験 | 小論文・オブザベーション・面接 | 2026年10月25日 |
3次試験 | 大学入学共通テスト | 2027年1月17日、18日 |
- 試験内容をステップごとに解説
- 1次試験:書類審査(NEW!)
昨年までは出願者全員に対して面接、オブザベーション評価、小論文を行っていましたが、今年から面接、オブザベーション評価に十分時間を掛けるために書類審査が導入されました。
出願書類の内容を通して、「なぜ医師を目指すのか」「東海大学で学びたい理由」などが見られます。
1次試験の書類審査を突破した受験生だけが2次試験に進みます。
- 2次試験:10月25日実施
- 小論文:医療倫理や社会問題などがテーマの小論文になります。
昨年は「人生の最後を迎えつつある人に 医師が果たす役割」がテーマで、課題文として「がんでも歩こう!キャンサージャーニーを豊かにする運動」からの文章が使われました。
60分で800字を書きますが、時間的にはタイトですので準備として「書き慣れる」ことが重要です。
- オブザベーション評価:グループでの活動を通して、他者との関わり方、コミュニ
ケーション力、観察力が評価されます。
昨年は6人のグループで、「医師が患者から信頼されるために必要な事」を120分間話し合いましたが、通常のグループ討論とは全く異なる方式です。
受験生としては聞いたことのないものですから、不安に思うかもしれませんが、事前にしっかりとした準備をしておけば恐れることはありません。
ちなみに昨年はメルオンから11人がオブザベーション評価、面接、小論文に臨みましたが、11人中10人が乗り越え、最終の共通テストに臨みました。
- 個人面接:面接官2名による25分程度の個人面接になります。
聞かれることはなかなか凝った質問が多くなりますが、聞かれることは
ほとんど分かりますので、これも的確な準備が出来れば恐れる必要はありません。
- 3次試験:共通テスト(1月)
「希望の星育成」では最後に大学入学共通テストが待ち受けています。
英語、数学、理科の受験が必要で600点満点となります。
気になるのは、「得点率何%で合格となるのか」ですが、概ね70%が合否ラインになります。
- 合格のカギはここにある!評価のポイント
- 学力だけではなく人間性や志望動機、そして「入学後の伸び」が重視される
- 医師という職業に対する理解と覚悟
- チームでの協働力や他者を尊重する態度
- 書類においては「具体的で一貫性のある志望理由」が重要
- 面接やオブザベーションでの自然な立ち居振る舞い、良好なコミュニケーションも評価対象
- 昨年の倍率や合格者数から読み解く実情
2025年度(昨年)の実績では、募集10名に対して最終合格者は32名でした。
これは「専願制でない」ため、最終的に東海大学を選ばない受験生も少なくない、と考えられることからです。
東海大学医学部としては、「募集人員を大幅に超える入学者があっても問題ないと考えている」と説明を受けています。
昨年のメルオンの最終合格者の中には国公立医学部や旧設医学部に進学した生徒もいますし、専願制の医学部学校推薦型選抜に合格してその大学に進学した生徒もいます。
併願可の医学部入試ですから、恐らく今年もかなり多くの合格者を出すと思われます。
- 対策法:書類・小論文・オブザベーション・面接
- 書類審査対策
- 志望理由書は「なぜ東海大学なのか」を明確に
そのためには東海大学医学部のアドミッション・カリキュラム・ディプロマポリシーをしっかりと理解することが欠かせません。
個人面接では出願書類から聞かれることが多いので、隙のない出願書類を仕上げてください。
- 小論文対策
- 医療倫理や時事問題に関する課題文型、60分で800字の練習
- 書いた後に他者に読んでもらい、論理性をチェックしてもらってください。
- オブザベーション評価対策
- 普通のグループ討論とは全く違うので、予備校などで行う「オブザベーション評価対策」を受講するといいでしょう。
もちろん、メルオンでも実施します。
- オブザベーション評価がどのような流れで行われるのかを理解しておけば、当日は落ち着いて臨めます。
- おとなしい受験生が不利ということは全くなく、逆にドンドン話す受験生が有利ということもありません。
それぞれの役割が大切です。
- 面接対策
- 「希望の星育成」の個人面接は、時間を掛けて様々な質問を受験生に投げかけ、じっくり評価しますので通常の面接練習では十分とは言えません。
東海大学医学部「希望の星育成」の個人面接対策を進めて下さい。
- 聞かれることは事前にほとんど分かりますので「自分が満足」ではなく、「面接官が満足」する答えを準備してください。
- よくある質問Q&A
- 合格しても辞退できる?
A. はい。専願制ではないため、合格しても入学を辞退できます。 - 評定平均はどれくらい必要?
A. 出願資格に評定平均はありません。
大学は全国の高校の事情を分かっているわけではないので、自分の所の試験だけで合否を判定します。
評定平均は気にする必要ありません。
- どんな生徒が合格している?
A. 現状の学力はそれほどではなくても、医学を学ぶ強い決意を持ち、やる気や協調 性があるタイプが多いように思います。 - まとめ
東海大学医学部の「希望の星育成」は、学力だけでなく「人間力」や「志」を重視した入試です。
2026年度からの書類審査導入により、準備すべきポイントが明確になってきました。
医師として社会にどう貢献したいか、医学部入学後の学生生活をどのように過ごしたいか、といったことを自分の言葉で語る力が求められる入試です。
「早くから動くこと」が最大の合格戦略ですので、まずは志望理由書の準備から始めてみましょう!
不安なこと、不明な点などがあれば、いつでもメルオンにお問い合わせください。