医学部入試

偏差値を上げても医学部・歯学部には合格出来ない理由

目次

  1. はじめに
  2. 偏差値とは何か?
  3. 偏差値アップの落とし穴
  4. 合格に必要なのは「志望校で出る問題を解けること」
  5. 満遍ない勉強が「的外れ」になる理由
  6. 合格者が実践している「逆算の学習法」
  7. 医学部・歯学部合格に必要な具体的対策
  8. 保護者が知っておくべき受験勉強の本質
  9. まとめ:合格する勉強と偏差値を上げる勉強は違う
  1. はじめに

「偏差値を上げれば医学部受験・歯学部受験での合格が近づく」と思っていませんか?
確かに偏差値は学力の目安です。

しかし、医学部・歯学部に限って言えば、偏差値が高くても合格できない人は少なくありません。

むしろ、「偏差値にとらわれすぎて合格を逃す」ケースが多発しています。

この記事では、受験生と保護者の方に向けて、「本当に必要な受験勉強とは何か?」をお伝えします。

  1. 偏差値とは何か?

偏差値とは、模試での自分の得点が全体の中でどの位置にあるかを示す数値です。標準偏差と平均点をもとに計算され、満遍なく解けるほど偏差値は上がります

一見すると、偏差値が上がることは良いことに思えます。

しかし、「模試での評価」と「志望校の入試問題」は必ずしも一致しません。

 

  1. 偏差値アップの落とし穴

模試の問題は、基礎~応用レベルの「大学入試全体で出そうな問題」がバランスよく出題されます。

模試の受験者は多様で、東京大学や京都大学などを本気で目指す受験生もいますし、勉強が得意ではなく「行ける大学ならどこでもいい」と考えている受験生もします。

そういった様々な受験生を対象に模試の問題は作られています。

そうなると、私立医学部入試や私立歯学部入試では出題されないような問題も出題されます。

模試で偏差値を上げるには全分野を平均的に得点する必要があります

ところが、医学部受験や歯学部受験はそんなに甘くありません。
・過去問を見ると特定分野に偏っている
・他学部にはない傾向の問題が出る
・英語では医療に関する長文が出る
こうした現実を無視して、偏差値を上げることに繋がるポイントを絞らない勉強ばかりしていると、「出ない問題まで必死に勉強する」ことになり、時間もエネルギーも浪費してしまうのです。

  1. 合格に必要なのは「志望校で出る問題を解けること」

極論すれば、志望校の入試で出題される問題が解ければ偏差値が低くても合格できます

逆に、どれだけ偏差値が高くても、出題傾向に合わなければ不合格です。
特に私立医学部受験・私立歯学部受験では、以下のような傾向が顕著です。

  • 時間配分が極端にシビア
  • 数学や化学でパターン問題が繰り返し出題される
  • 英語の長文が医療系に特化している

このような特徴を分析し、「自分が合格したい大学ではどんな問題が出るのか?」を徹底的に調べ、それに合わせた学習をすることが最短ルートなのです。

  1. 満遍ない勉強が「的外れ」になる理由

「満遍なく勉強する=偏差値アップ=志望校合格」という発想は、非常に一般的です。

しかし、偏差値を気にするあまり、以下のような落とし穴にはまる受験生が多くいます。

  • 「得意な分野」も「出ない分野」も等しく時間をかけてしまう
  • 志望校に特化した対策を後回しにしてしまう
  • 模試の成績に一喜一憂し、学習の軸を見失う

受験は時間との戦いです。「合格に必要なこと」に絞り込んで、効率的に対策しなければなりません。

  1. 合格者が実践している「逆算の学習法」

医学部・歯学部の合格者が実践しているのは、偏差値を上げるための学習ではありません。合格から逆算した学習です。たとえば、

  • 志望校の過去問を10年分分析
  • 出題傾向に合わせて問題集を使う(全部を満遍なくやるのではなく、必要な医学部部分だけをやる)
  • 不得意分野でも出題頻度が高ければ徹底対策
  • 出ない分野には時間をかけない

このように、「医学部入試(歯学部入試)で合格点を取る」ことだけを目的に絞った勉強をしています。

偏差値はその副産物であって、目的ではありません。

  1. 医学部・歯学部合格に必要な具体的対策

合格に直結する具体的な勉強法には、以下のようなものがあります:

  • 過去問研究と出題傾向の把握
  • 医学部・歯学部の独自問題(生物の実験考察・化学の生物っぽい有機・英語の医療系長文など)の練習
  • 小論文・面接対策(特に推薦入試では必須)
  • 暗記ではなく「出題のされ方」への慣れ
  • 本番の時間配分を考慮した演習

これらは模試対策ではほとんど対応できません。

志望校に合わせた「ピンポイント学習」こそが、合格への鍵です。

  1. 保護者が知っておくべき受験勉強の本質

保護者の方の多くは、「偏差値が上がっている=順調」と考えがちですが、それは誤解です。

お子さんが偏差値重視の勉強をしていたら、むしろ注意が必要かもしれません。
本当に大事なのは「どこを受けるのか」「そこでは何が出るのか」「それを解けるのか」です。

模試の結果に一喜一憂せず、日々の勉強が志望校対策に直結しているかどうかを見てあげてください。

  1. まとめ:合格する勉強と偏差値を上げる勉強は違う

偏差値はあくまで目安で、合格の本質は「志望校の問題で合格点を取れるかどうか」です。

  • 偏差値アップ=満遍ない勉強=効率が悪い
  • 志望校対策=出題傾向を分析して絞った勉強=合格に直結

つまり、偏差値を上げようとする勉強は合格を遠ざける可能性があるということです。

これからの勉強は、「偏差値を上げるため」ではなく、「志望校に合格するため」に行ってください。

その勉強方法が早く、確実に、医学部受験・歯学部受験での「志望校合格」というゴールにたどり着けます。