医学部入試

【医学部・歯学部受験】夏にやるべきこと|基礎を固め、秋以降の飛躍に備える

はじめに

夏は受験生にとって「天王山」と呼ばれる勝負の季節です。

特に医学部・歯学部を目指す受験生にとって、夏の勉強内容や生活習慣が合否に直結すると言っても過言ではありません。

しかし、気合が入りすぎるあまり、難しい参考書や演習に手を出してしまい、肝心な「基礎・標準レベルの土台作り」をおろそかにしてしまう受験生も少なくありません。

今回は、医学部・歯学部を目指す受験生、そしてその保護者の方に向けて、「夏にやるべきこと」について、具体的かつ実践的なアドバイスをお届けします。

目次

  1. 夏は「飛躍の準備期間」
  2. 基礎・標準レベルの徹底が秋以降の伸びにつながる
  3. 苦手科目・分野を夏のうちに克服する
  4. 志望校の過去問には必ず目を通す
  5. 生活リズムを崩さないことの重要性
  6. 保護者ができるサポート
  7. まとめ

 

  1. 夏は「飛躍の準備期間」

高校の授業がある期間は、受験に関係のない科目の勉強もやらざるを得ません。

しかし、夏休み期間は自分が医学部や歯学部の志望校に合格するために本当に必要な勉強に集中できる期間となります。

夏休みは長時間の学習時間が確保できる貴重な時期です。

だからこそ、「この夏で一気に合格圏に近づきたい!」と、受験生も意気込んでいることでしょう。

ただし、夏は「結果を出す時期」ではなく、「結果を出すための準備をする時期」です。夏の努力がすぐに模試の結果に反映されるわけではありません。

9月以降にその成果がじわじわと現れてくるのです。

つまり、秋以降にグンと成績を伸ばすための「仕込み期間」がこの夏なのです。

  1. 基礎・標準レベルの徹底が秋以降の伸びにつながる

医学部・歯学部入試は、難問が解けなければ合格できないイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には「基礎~標準レベルの問題を確実に解ける」ことが合格のカギになります。

なぜなら、合格点を取るために必要な得点は満点ではないからです。

特に私立医学部・歯学部では6~7割を安定して取る力が求められます。

その得点を支えているのが、基本・標準問題を取りこぼさない力です。

医学部受験、歯学部受験で合格するために本当に必要な事は、「他の受験生が解いてくる問題は、自分も絶対に落とさない」ということです。

難しい問題を解くことより、基礎・標準レベルの問題を確実に解き切る力が何より重要です。

この夏に「基礎レベルの徹底演習」「標準問題の解法定着」を行っておけば、秋以降に過去問や応用問題に取り組んだときの理解度が段違いになります。

難しい問題を解きたくなる気持ちはわかりますが、それは「基本が完璧になってから」です。

医学部や歯学部の学校推薦型選抜(推薦入試)を受ける受験生は、特に「時間がない」と考えがちです。

その結果、「夏に難しい問題に手を付けたい」と考えます。

しかし、医学部でも歯学部でも推薦入試で出される問題は、けして難しくありません。

高校3年生が11月に受ける推薦入試の問題は、年明けに行われる一般選抜(一般入試)の問題とは難易度が異なります。

やはり夏は、「基本的・標準的な問題」を固めることが大切です。

  1. 苦手科目・分野を夏のうちに克服する

得意科目ばかりを勉強していると、確かに気分はよくなります。

しかし、受験は総合力・総合点が勝負です。

どこか1科目で大きく失点すれば、医学部・歯学部の合格ラインに届かなくなります。

夏は苦手克服の最大のチャンスです。

この時期なら時間的余裕があり、理解が不十分な単元も丁寧に学び直すことができます。

苦手科目・分野の洗い出しは模試や日々の学習を通じて可能ですし、自分でも「ここは曖昧なままだ」と分かっている部分もあるでしょう。

そこを、ぜひこの時期に潰しておいてください。

たとえば:

  • 化学の無機分野が弱いなら、資料集を併用して体系的に理解する
  • 数学の数Ⅲが苦手なら、基礎から問題集を一冊決めてやり込む
  • 英語の長文読解に時間がかかるなら、速読よりも構文理解に時間をかける

「苦手を1つでも潰す」ことが夏のテーマです。

  1. 志望校の過去問には必ず目を通す

過去問演習は秋以降に行うのが一般的ですが、夏のうちに一度、志望校の過去問に目を通しておくことを強くおすすめします。

ここでの目的は「解けるかどうか」ではなく、

  • 問題の難易度
  • 出題傾向(記述?マーク?)
  • 時間配分のイメージ
  • 合格点の目安

などを把握することにあります。

これを早めに知っておくことで、今後の学習の指針が明確になります。

たとえば、英作文や記述問題の多い大学なら、夏からアウトプットの練習を始めることができます。理科の問題が特殊な大学なら、今から対策の準備ができます。

  1. 生活リズムを崩さないことの重要性

夏休み中はどうしても生活が夜型になりがちです。

しかし、医学部・歯学部の入試は午前中から行われるのが基本ですし、高校が始まれば午前中から勉強をすることになります。

朝型の生活習慣をキープすることは、受験対策の一環です。

理想的なのは、

  • 朝7時台に起きる
  • 午前中に集中力の要る科目(数学や理科)を勉強する
  • 夜は早めに寝る(遅くても0時まで)

といったサイクルを崩さずに続けることです。

  1. 保護者ができるサポート

受験生本人が頑張るのはもちろんですが、保護者の見守りとサポートも非常に大きな力になります。

特に今年は猛暑続きで、精神的にも体力的にも疲労がたまりやすい時期です。

そんなとき、親のひと言が子どもの心を左右します。

保護者が意識すべきポイント

  • 生活リズムが乱れていないか、さりげなく見守る
  • 無理に干渉せず、食事・睡眠の環境を整える
  • 「どうせ無理」「まだこんなレベルなの?」といった否定的な言葉は絶対に避ける
  • 努力している姿を認め、「応援しているよ」と伝える

受験生は常にプレッシャーと戦っています。自分のペースで努力し、少しずつ成果を出していけるように、温かく見守ってあげてください。

  1. まとめ

夏の過ごし方が秋以降の伸びを決め、合格の明暗を分けます。

だからこそ焦らず、以下のポイントを押さえて過ごすことが大切です。

  • 基礎・標準の徹底が秋の伸びを支える
  • 苦手科目・分野は夏のうちに克服を目指す
  • 志望校の過去問には早めに目を通し、対策の方向性を明確にする
  • 生活リズムは朝型をキープする
  • 保護者は静かに見守り、応援する姿勢を忘れない

医学部・歯学部への道は決して簡単ではありませんが、地道に、そして着実に歩みを進めていけば、必ず光が見えてきます。

この夏、最高の準備を整えて、合格への一歩を踏み出しましょう!