- 文部科学省が「一般選抜の学力試験は2月1日以降に実施」と明確化・遵守依頼を出した影響で、私立医学部の1次試験日が2/1〜2/4に集中。
2月1日から4日の4日間で、私立医学部15校の1次試験が行われ出願の組み立てがこれまで以上に重要になりました。
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目次
- なぜ日程が変わったの?(背景の整理)
- 今年の特徴:2/1〜2/4に1次試験が集中
- 受験生・保護者への影響:どこが難しくなる?
- 失敗しないための「4ステップ戦略」
- STEP1:軸となる日を決める
- STEP2:併願の型を決める
- STEP3:動線を決める
- STEP4:2次試験まで設計する
- モデル配置(考え方の例)
- よくある質問(Q&A)
- 出願前チェックリスト(保存版)
- 情報ソースと確認の仕方
- まとめ
- 追記
- なぜ日程が変わったの?(背景の整理)
文部科学省は、大学入学者選抜の実施要項で個別学力検査(一般選抜の筆記試験等)は2月1日〜3月25日に行うことを定め、各大学に期日遵守を依頼しました。
趣旨は「高校教育への影響や受験生負担に十分配慮し、適正な時期に選抜を行う」ということです。
結果として、従来1月に一般選抜1次試験を行っていた一部の大学医学部が1次試験日を2月へ移動し、2月前半に1次試験が密集する構図になっています。
ポイント
- 2/1以前に実施できるのは原則小論文・面接・実技等に限られ、教科型の学力検査は2/1以降という文部科学省の考えの反映です。
以前から文部科学省はこうした考えを持っていましたが、今年改めて各大学に試験日の遵守を通達しました。
私立医学部の中に、この通達を遵守する大学と以前からの1月実施を変えない大学とが出て来ました。
- 今年の特徴:2/1〜2/4に1次試験が集中
- 医学部の一般選抜(学科試験)1次試験は、共通テスト終了後の1月後半から始まりますが、2月上旬に集中する流れが一段と強まりました。
とくに2/1・2/2・2/3・2/4の4日間は1次試験の重複が非常に多くなります。
- 2026年度私立医学部入試日程 2月1日から2月4日
日程 | 1次試験実施大学 |
2月1日 | 日大、女子医、川崎医科、久留米 |
2月2日 | 日本医科、杏林、東海、福岡 |
2月3日 | 東海、順天堂、北里、金沢医科 |
2月4日 | 金沢医科、東京医科、藤田医科 |
これまで1月に1次試験を行っていた杏林大学医学部、北里大学医学部、金沢医科大学が1次試験日を2月に移動しました。
一方で愛知医科大学、国際医療福祉大学医学部、帝京大学医学部、関西医科大学など9校は1月に1次試験を行います。
- 受験生・保護者への影響:どこが難しくなる?
- 試験日重複の増加
受けたい大学が同じ試験日になる可能性が高く、優先順位の明確化が必須になります。 - 移動・宿泊の最適化が重要
1次試験が集中することから連日の受験になりやすく、体力と移動の負担が増加します。
どこの試験会場で受けるのか、移動の負担はどうなのか、試験会場に近いホテルは取れるのか、といった視点が重要です。
- 2次試験(面接・小論文)の計画
1次試験後約1〜2週間で2次試験が行われる大学が多く、2次試験の重複も起こりやすくなりました。
1次試験日程だけでなく、2次試験の日程も同時に考えて下さい。
- 失敗しないための「4ステップ戦略」
STEP1:「軸となる日」を決める(2/1・2/2 or 2/3・2/4)
- まず、どうしても受けたい最優先校(第一志望校など)の1次試験日=軸となる日を固定してください。
- この日を軸に、前後の日の受験校を絞り込んで下さい。
試験を受けない日(休養日)を作ることも問題ありません。
- 多くの先輩は「1次試験は、3日連続までなら大丈夫」と言っています。
STEP2:「併願の型」を決める(科目・配点・形式で選ぶ)
- 英語、数学、理科の配点比率(英語高配点/英語、数学重視/各科目均等)で自分に向いている配点を考えて下さい。
- 面接の比重や小論文の有無も必ずチェック(医学部は2次試験の評価が重めの大学が少なくありません)
- 医学部の面接には個人面接の他にグループ面接、グループ討論、MMIと様々ですので、そこの確認も忘れずしてください。
- 医学部の小論文も課題文型、テーマ型、資料型と多彩で字数も様々ですので、事前に調べておいてください。
STEP3:「動線」を決める(会場・連戦耐性・予備日)
- 2/1〜2/4は同一試験会場での受験が基本になります。
出来るだけ「移動」を無くすことを考えて下さい。
そのためには、「東京で受ける」としても、大学によって具体的な試験会場の場所は異なりますので、どの試験会場にも便利な場所にホテルを取るといいでしょう。
私立医学部受験の聖地とも言われる五反田に近い渋谷などが候補に挙がります。
STEP4:「2次試験まで設計」する(1次→2次の流れを逆算)
- 2026年度入試では、2月12日から20日にかけて多くの医学部の2次試験が行われます。
- 2次試験日が重なるケースをなるべく避けるため、事前に2次試験日の重複を確認しておいてください。
- その際には1次試験合格の可能性も考慮に入れて考えて下さい。
- モデル配置(考え方の例)
例は考え方の雛形です。
- プランA(東京受験)
2月1日 日本大学、2日 杏林大学 3日 順天堂大学 4日 休養日
- プランB(西日本中心)
2月1日 福岡大学 2日 久留米大学 3日 休養日 4日 金沢医科大学
- よくある質問(Q&A)
- 共通テスト利用はどう考える?
A. 2/1〜2/4の1次試験の負荷軽減に役立つ可能性はありますが、高得点勝負となりますので合格の可能性を考えて出願してください。 - 2次の面接が重なったら?
A. 2次試験日の変更が可能なら大学に申し出て下さい。
その際は、「他大学の試験と重複したため」で構いません。
変更不可なら、2次試験合格の可能性や他大学の状況を自分なりに考えて、具体的な受験校を決めてください。
- 出願前チェックリスト(保存版)
- 軸となる日を決めた(2/1 or 2/2 など)
- 軸となる日に移動の負担がない(会場近くのホテル)
- 1次試験日重複の大学を把握し、別日の優先順位を決めた
- 科目ごとの配点と出題傾向が自分に合うか確認済み
- 2次試験の日程を確認した
- 情報ソースと確認
- 制度の根拠:文部科学省「大学入学者選抜実施要項」および試験期日遵守の依頼(学力検査は2/1以降が原則)。
- 大学別の最新日程:大学公式の2026年度入試変更点、一般選抜入試日程を確認
- 具体例の把握:私立医学部の入試カレンダー(メルオンなど)で2/1〜2/4の日程重複を確認し、同様に2次試験日も確認
- この他の日程も確認
- まとめ
- 文部科学省の「学力試験は2/1以降ルール」徹底で、私立医学部の1次試験は2/1〜2/4に集中。
- 出願は「軸となる日」→「移動」→「2次まで」の順に設計。
- 共通テスト利用入試に関しては、高得点勝負になることを理解する
- 入試情報は大学公式で確認し、移動と体力の余裕を最優先に。
- 私立医学部の入試日程が大きく変わったことで、受験生の動きにも変化が予想される
- それを見越しての全日程での受験校選定が必要
10. 追記
2026年度私立医学部一般選抜の入試日程はこれまでと大きく変化し、それにより、受験を考えて欲しい大学も変わりました。
必ず受けたい大学の日程が決まれば、次に「どの大学から受けるのか」を考えて下さい。
2026年度入試で言えば、愛知医科大学からなのか、岩手医科大学医学部または国際医療福祉大学医学部からなのか、さらにその先の帝京大学医学部からなのか、最初に受ける大学を考えて下さい。
この時ポイントとなるのは「早めに1次試験合格を取っておきたい」です。
医学部受験には「メンタル」が大きく影響します。
早めに1次試験合格があると「よし、行ける!」という気持になれ、以降の入試に気分よく臨めます。
2026年度入試では、医学部の中では難易度の高くない獨協医科大学の1次試験日が大きく後ろに下がり、私立医学部最後の1次試験日となりました。
私立医学部を受けるのであれば、「最後の獨協医科まであきらめない」気持ちで臨んで下さい。